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クラブ経営について37

2010-10-24 00:21:59 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 Jリーグの声かけでクラブ役員を招聘し、低迷するクラブを根底から立て直した事例として、J1山形の事例があると以前に触れていましたが、改めて詳しく見てみました。山形に′06年に就任した海保氏ですが、素晴らしい功績だと思います。そのJ1山形は現在も12位で、降格圏と勝ち点で大きく差をつけています。とても社団法人が運営しているJクラブの成績に見えません。以下、海保氏について紹介したいと思います。
                              
 海保氏は元々はバスケの選手。住友金属工業に入社され、東京オリンピックバスケットボール代表選手として活躍し、立教大バスケ部と住友金属バスケ部の監督をそれぞれ歴任。その後、'96年からJ1鹿島の常務取締役として活躍。
 J1鹿島退職後は、バスケットボール界に復帰。'01年から女子バスケットボール日本リーグ機構の専務理事、'03年から同機構顧問に就任。そして、'06年に日本サッカー協会の川淵会長(当時)に「山形県がサッカーの経営がわかる人材を欲しがっている。君、行ってくれないか」と招聘されて、(社)山形県スポーツ21世紀協会理事長に就任。事実上の「J2のアントラーズ」として山形の再建が始まっていったそうです。

 当時は2年連続でJ2中・下位に低迷し、状況は最悪。約1億3000万円という大赤字を抱えていたそうです。赤字の補填策として、J1昇格のための準備金を取り崩さなければならなくなり、内外にその厳しい台所事情を露呈していました。
 '06年に日本協会参事で山形県出身の新藤氏が常務理事に就任。更に財政難で補強・獲得が難しい状況の中、スカウト部門強化をねらい、J1鹿島の元スカウト担当部長であった平野氏が強化育成部アドバイザーに就任。一気に強化も進んだ。'08年に、大分をJ1に昇格させた実績のある小林伸二氏を監督に招聘し、前理事長の退任からわずか1年足らずでJ1に昇格。
 すぐにJ2に降格するだろうと見られていたが、大方の評論家の順位予想に反して、最終順位は18チーム中15位でJ1残留できた。最終節の「戦前の予想は、圧倒的な最下位!ざまあみやがれってんだ!」という海保理事長の言葉が有名です。そして、今年の2月に健康問題で惜しまれて退任されました。

 その前の「金森体制の終焉」について。
 '06年、J2で不甲斐無い成績になり、試合後のサポーターの一部から、監督や金村専務理事兼GMの引責辞任を求める座り込みの抗議行動まで発生。シーズン途中に金森理事長(県副知事から就任)が退任。金森氏の後任を山形県知事が川淵会長に依頼し、海保理事長の就任へ。これにより、金森理事長という後ろ盾を失った金村GMも辞任。
 クラブの黎明期から長期に渡って続いてきた金森体制が終了。しかし、ずさんな経営計画が災いし、約1億3000万程度の赤字の穴埋めをする為に「J1昇格準備金」として用意していた予算を大幅に取り崩すという深刻な事態になっていました。この内容では経営悪化という面ですが、当然事業的にも良くなかったのではないかと思われます。

 仕事をやっていると、普通のどこにでもある会社の役員で、「会社の内外から後指を差されている運営、知らぬは当人のみ。構造的欠陥」というシーンにたまに出くわします。
 民間企業は公益性は少ないですが、クラブ運営会社は公共性が大きく、情報開示を問われ、いかに後ろ指を指されない経営ができるかという事が問われると思います。そういう面では「お客様」であるファン・サポーターの声に真摯に耳を傾ける姿勢を絶えず問われるはずであると。スポンサーは形を変えたファン・サポーターの姿であり、別物ではないと個人的に思います。ファン・サポーターの「いい評判」が増えれば、スポンサーが増え、「悪い評判」が増えれば、自然と減っていくのではないでしょうか。J2岐阜がJリーグからの借金を完済できたのは、選手の社会貢献活動が大きく評価されて、スポンサーが増えていったと聞いています。

 話は戻ります。言わば、生え抜き役員による独自体制から、「上」を目指せる経験豊富な招聘役員体制へ。山形については理事長というトップ人事ではありましたが、日本協会参事が常務に就いたり、GM人事もめまぐるしくこの時に動いています。以前に栃木スタイルとして紹介したJ2栃木についても、この辺りの幹部役員人事というのはセットで絡んでくることがよくわかりました。あくまで、よそのクラブの事例ではありましたが、強くなりたい、J1を狙いたいという事になれば、旧バージョンからのバージョンアップという「形」がよくわかりました。現在、下部への降格がないJ2ですが、「このままの状態ではいけない」と思った栃木さんは動いた訳であり、万年J2状態であった山形さんも、財政面での要因もあった訳ですが、変革へ舵を切ったという事です。以上、Jリーグクラブの一事例の紹介に伴う話題でした。

 そして先日、観客数を水増していたJ1大宮で、社長は引責辞任を表明。不正にかかわった幹部2人も解任されるというニュースが流れましたね。こういうニュースを知ると、クラブの役員というのは出入りが激しいんだなぁと改めて思ってしまいます。試合会場内にはクラブへの意見を集める「目安箱」も設置されるそうです。
J1山形関連⑬:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20101022
  〃     ⑫:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20101014
  〃     ⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20101004
  〃     ⑩:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100604
  〃     ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100114
  〃     ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090215
  〃     ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081214
  〃     ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081127
  〃     ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20071112
  〃     ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070510
  〃     ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060227
  〃     ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060126
  〃     ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060120

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