昔もむかし今から70年も前の話である。
幼少の我に兄が知人から柴の子犬をもらってきて家族の一員として兄弟の様に何処に行くにも常に一緒に遊んだものであった。
ときには少学校まで付いてきて教室内で大人しく帰校時までいた事もあった。
往時は殆んど放し飼い状態でも許されたおおらかな時代でもあった。
現在の室内犬と違い番犬として外で飼育していたが子供達の遊び仲間としても存在は大きかった。
人間と寿命の長さの違いから当時の犬としては長寿を全うした15年弱の命だったがその時に別れの辛さを否と言うほど味わったものである。
それ以来情の移るペットは一切飼わないと心に決め現在に至っている。
犬猫が嫌いではないが死に別れの辛さが耐えられない理由である。
現在我が家で飼っている亀・メダカ・らんちゅう・鈴虫については手を掛け飼育するも情が移るほどで無い。
しかし先日4年程になるが大きく10センチ程に育ったらんちゅうが突然死んでしまった。
室内のケースで飼育していたが水の汚れも目立ち暖かくなって来たので水替えをと言っていた矢先の事で早く実施しておればと悔やむものである。
死骸は庭のかたすみに咲く花の側に埋めてやった。
残された一匹は本日新しい金魚鉢に移し替えてみた。
命の短さを現わす桜