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六十三番 左京大夫道雅

2014年07月16日 | 百人一首
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな

今はただ 「今」は、後拾遺集の詞書によると、(伊勢)神宮の斎宮(未婚の皇女。恋愛は厳禁であった)を勤めて帰京された当子内親王のもとに道雅が通っていたことが発覚し、天皇が内親王に監視を付けて逢えないでいる状態。「ただ」は、下に限定の副助詞「ばかり」を伴い、「ただ…だけ」の意。
思ひ絶えなむとばかりを 「思ひ絶ゆ」は、思い切る・あきらめるの意。「な」は、完了の助動詞「ぬ」の未然形で強意を表し、~てしまうの意。「む」は、意志の助動詞。「思ひ絶えなむ」で、思いをあきらめてしまおうの意。「と」は、引用の格助詞。
人づてならで 「で」は、打消の接続助詞で、~ないで・なくての意。「人づてならで」で、人づてではなく、即ち、自ら直接にの意。
言ふよしもがな 「よし」は、方法。「もがな」は、願望の終助詞で、~があればいいなあの意。

さきょうのだいぶみちまさ (993~1054)
藤原道雅 (ふじわらのみちまさ)  平安中期の歌人。中古三十六歌仙の一人。藤原伊周の子。関白道隆・儀同三司母の孫。父伊周の失脚に加え、当子内親王との密通事件などの悪行によって、家柄に比べて職位ともに低くとどまった。

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