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八十四番 藤原清輔朝臣

2014年10月21日 | 百人一首

長らへば またこのごろ 忍ばれ 憂しと見し世 今は恋しき

この先、生きながらえるならば、つらいと感じているこの頃の世の中もなつかしく思い出されるのであろうか。つらいと思っていた昔のことも、今では恋しく思い出されるのだから。

長らへば 下二段の動詞「長らふ」の未然形+接続助詞「ば」で順接の仮定条件を表し、「もしも、生きながらえるならば」の意。
またこのごろやしのばれむ 「や」と「む」は、係り結びの関係。「や」は、疑問の係助詞。「しのば」は、バ行四段の動詞「偲ぶ」の未然形で、懐かしく思うの意。「れ」は、自発の助動詞「る」の未然形。「む」は、推量の助動詞「む」の連体形で「や」の結び。
憂しと見し世ぞ今は恋しき 「ぞ」と「恋しき」は、係り結びの関係。「憂し」は、つらい。「と」は、内容を示す格助詞。「し」は、過去の助動詞「き」の連体形。「ぞ」は、強意の係助詞。「は」は、区別を表す係助詞。「恋しき」は、シク活用の形容詞「恋し」の連体形で、「ぞ」の結び。

ふじわらのきよすけあそん (1104~1177)
藤原清輔 平安後期の歌人・歌学者。顕輔の子。藤原俊成とならぶ平安後期歌壇の双璧。二条天皇の勅命により『続詞花集』を撰進したものの、天皇崩御により勅撰集とはならず。歌論書『奥義抄』『袋草紙』、家集『清輔朝臣集』などを著した

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