many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

短歌パラダイス

2009-02-18 22:24:25 | 小林恭二
小林恭二 1997年岩波新書
というわけで、昨日のつづき。
好きな本です。
小林恭二の小説が好きで、出版されたものは、一も二もなく買うんですが、この新書も中身なんか考えずに買いました。
俳句をやるひとのはずが、なぜ短歌の本を?と思ったのですが、読んでみると内容は単なる短歌ぢゃなくて「歌合せ」
歌合せとは何か?っていうのは、読んでもらえればわかるんですが、要は短歌を出し合って、どっちが優れているか勝負すること。著者も認めてるように“すでに滅んだ遊び”
短歌を普通に読んだだけでも意味がよくわからないことが多いのに、その優劣を決めることなんかわかりっこないと思いきや、本書はすごく面白くできています。
私にそのテの文才があったら、やってみたいと思うくらい。
この本、いいです、何度も読み返すもののひとつです。

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短歌という爆弾

2009-02-17 21:09:17 | 好きな本
穂村弘 2000年・小学館
穂村弘は、すきな歌人です。
っていうと、私が和歌が好きだったり、短歌詠んだりするみたいだけど、
歌集を買うほど(短歌が、ね)好きではありません。
和歌・短歌とかって、国語の授業で習うくらいしか読むことないから、
このひとを知ったのは、小林恭二の『短歌パラダイス』を読んだとき。
(正直、現代日本で歌人っているの?ぐらいにしか思ってなかった)
その本で興味もって、そのあとにいろいろと短歌関係に触れてみてったとき、
このひとは、すごいなって思った。
何がどうすごいのか分からないけど。音楽と一緒で説明できないけど。

で、この本は「今すぐ歌人になりたいあなたのために」のサブタイトルのとおり、
「短歌入門」の書なんである。(別に私は短歌詠もうとは思わないけど)
序章と終章に詳しくあるとおり、
日常に流されていくだけの生き方を変えるっていうか、
世界と自分の関係って何だろうかって、極論すると生きてる意味って何だろうかって、
そういうことを考えたとき、短歌で、五七五七七で、表現するってことの
意味というか楽しさっていうか、そういうものが綴られています。
文学っていうか、言葉が、好きな自分としては、サイコー!
ちなみに、短歌を爆弾と表現するのは、
絶望的に重くて堅い“世界”の壁だか扉だかを、吹っ飛ばすもの、って意味。

特に、この本では、著者が他の人の作った短歌を添削(?)する過程もあり、
推敲の考え方が記されているって点で、非常に貴重なものです、私にとっては。
「東へ西へ」って記述を、“オートマティック”と評して、
「南へ西へ」って改作したりするとことか、具体的で、とてもいいです。

ビデオやカメラなどで、映像として、世界の一部を克明に映し出すように、
言葉で、その一瞬を切り取って、鮮やかにみせてくれる、
短歌の力を再認識させてくれる著述がいっぱいです、この本。

~体温計くわえて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ~
(私の好きな著者の歌のうちの一首)

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2009-02-16 21:18:43 | 好きな本
安部公房 昭和44年 新潮文庫版(持ってんのは昭和56年29刷ね)
収録作品「S・カルマ氏の犯罪」「赤い繭」「洪水」「魔法のチョーク」「事業」「バベルの塔の狸」

安部公房、好きでした。
このブログはじめて、昔話とか書くこと増えて、若いときは何読んでたっけか、と思って記憶を探ったら、でてきました。
中学から高校くらいのあいだ、けっこう読んでました。文庫になってんのはだいぶ読んだと思います。(安いからね文庫、昭和56年で280円)
なにが面白いって、不条理(で用語あってんのかな?)ってやつかな、ガキだった当時はすごい刺激的でした。
糸をたぐるとほぐれて無くなっちゃう人間とか、人間が液化しちゃう話とか、描いた絵が実体化したりとか、影をなくした男の話とか、身の回りのことをグチャグチャ書いてある小説より面白いと当時思ったのは無理もないです。
あとは、卓越した比喩。
>するとあんなにも大きかった笑いが、熱い紅茶に入れた角砂糖のように見る見る消えてしまいました。
とかって、いま読んでも、うまいなーと思います。



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DEATH NOTE デスノート

2009-02-14 22:43:09 | マンガ
大場つぐみ・小畑健 2004年~2006年集英社 全12巻
ひさしぶりにマンガを通しで読みました。
その名前とかは知ってはいたんですが、特に興味なくて、
(まったく失礼な言い方になるが、週刊少年ジャンプでヒットしてるというのは、現在の私の嗜好に合わない可能性が高いから)
手にとったこともなかったんですけど、テレビで実写映画をやってたのをちょっと見たら、死神の描写が妙に気に入ったので、読んでみることにしました。
古本屋で、12巻+解説本、2000円。
一日か二日で読む自信があったんだけど、忙しいのと、内容が内容なので、1日2冊ずつくらいのペースでしか進まず、6日くらいかかってしまいました。
内容ってのは、ネームっていうか、とにかく文字が多いぞ
マンガ読むの慣れてるつもりなんだけど、けっこう大変でした。
それはいいけど、これがジャンプで連載されてて、しかも人気してたっていうのが、かなり意外。よくアンケートで票が入りましたね。わかりやすい友情・努力・勝利路線だけぢゃなくなったのかな、ジャンプ。それなら今後少しジャンプ系も観察して手を伸ばしてみようかなーっと思いました。

どーでもいーですが、古本屋のミスか、前の持ち主のいたずらか知りませんが、11巻と12巻のカバーと中身が入れ替わってて、10巻のあと、11巻のつもりで「あれ?話がつながらん」と思いつつ12巻を読んでっちゃいました。トリック、フェイクの話なので、偶然でも、現実世界の自分が引っかかっちゃたのが面白かったです

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消えた魔球

2009-02-11 21:33:08 | 読んだ本
夏目房之介 平成6年新潮文庫版
今回、とくに昨日からのつながりもなく。
まあ強いて言えば、血涙と、血と汗と涙のスポ根関係系ってことで。
この本は、けっこう好きです。どっかいっちゃったんで、先日古本屋で買いなおした。
マンガ評論家(なのかなぁ?)の、模写とツッコミによるマンガ批評。
特にスポーツ関係のマンガについて、ストーリーと表現とについて、突っ込んでいる。
当初は「魔球列伝」的な企画だったらしいけど、読んでて、勉強になります。

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