さてさて、6代家宣の頃の和算家 関孝和と幕末期のフランスの洋算家オーギュスタン=ルイ=コーシーを数学でつなげてみましょうって試みも線積分、面積分、体積分まで来ましたらようやくフランス革命前の飢饉まで来たのかなぁってところです。
で、小難しい専門書を見ると∲などという記号が出てきます。積分で訳が分からんって人はこれが数学や物理学への更なる嫌悪感を高めていることは想像に難くありません。
線積分も面積分も体積分も範囲が決まっていれば定積分ということになります。
線や面が閉ざされている線なら輪っか、面なら包み込むような範囲になるのが∲っていう訳です。
例えば小浜に行けば和菓子屋の水槽に葛饅頭が冷やされていますが、出来立てアツアツの葛饅頭を地下水に漬けると表面から熱が出ていきます。表面のある微小な面から出る熱量を表面全体にわたって足し合わせると葛饅頭全体から放出される熱量が算出される。その結果葛饅頭の温度が下がる。地下水と同じ温度になるまで熱は放出される。そんな複雑怪奇な微分方程式を立式するときの最初の段階で放出する熱量の表面という閉曲面の積分に∲が使われています。
実際にこうした積分を厳密に計算できるのは非常に限られたケースにすぎず、ほぼほぼ計算不能と言っても過言ではない。が、積分の結果は既に分かっていてそれに辻褄が合うように積分される要素が決定していく。こんな考え方は流体力学や電磁気学で多用されています。
閉ざされた積分までくればあとは複素数に触れればコーシーの事績はすぐそこなんですが、お次は電磁気学で∲の実例を考察してみましょう。この考え方を習得してなくても電気系の資格試験はそこそこ取れるものなんですが電験1・2種レベルの電磁気学では∲の考え方が分かっているかどうかは初見の問題が解けるかどうかの決定的なファクターになってきます。
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