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皮肉な話

2011-07-02 20:38:42 | 地球と物理
未だ福島第一原電の事故は収束の様子を見せることも無く、避難区域に住まう方々の心痛いかばかりかと心よりお見舞い申し上げる。

で、その影で実は一つの証明された事実があるのである。

あの巨大地震とそれに伴う大津波は東北太平洋側沿岸を呑み尽くした訳であるが、想定外の規模の震災に対して宮城県女川原電は正常に炉心を停止させたのである。当然津波は施設に入り込み、配管などには見直すべき点も多かった。また、津波の引きに対して恐らく復水器の取水口は完全に干上がったものと思われる。この場合、BWRではスチームブロワによって熱を放出させると言う手段は使えない。

が、「やることをやっておけば想定外の地震と津波に対して日本はBWRを安全に停止させる技術を持ち合わせている」ということを証明しているのである。一つは原子炉建屋の高さが海抜に対してそれなりに高かったことがある。

やるべきことをはしょったから福島第一原電は取り返しの付かない事態に陥ったのである。だから多くの人の東電への怒りは増幅されていると言える。また、かかる事故の影で想定外の地震・津波に対して日本がBWRを安全に停止させる技術を持ち合わせていることが証明されても、かかる事故によって日本の原子力の安全神話(本来もともとそのようなものは存在していなかったにもかかわらず私達が存在しているように思い込んでいただけなのであるが・・・)は完全に崩壊したものと看做されるのは当然である。

現在点検中の原電の運転再開に地元の理解がなかなか得られないのも、リスクの説明を恐れてしてこなかったツケといえよう。もちろん、反原発を訴える団体が微細な事故でもヒステリックに騒ぎ立て朝日新聞のようなろくでもないダメディアが不安を煽ってきたことなどから、一定の同情の余地はあるものの、原子力がクリーンなエネルギーでないことはほんの少しでも原子力についてかじったことがあれば分かりきった話しのはずなのである。

ダメディアについて言えば、今度は朝日新聞と逆の立場を取る読売・産経が原子力政策の継続を訴えている。もちろん反原発が時流となっている中で、エネルギー源のカードの多様性とベース電力源として有効な原電の継続を訴えたい気持ちは分かる。

が、今までリスクに関する指摘を軽視する風説を垂れ流してきた過去の論調にオトシマエをつけるでもなく、今までのリスクに長年手を打ってこなかった原子力行政をろくろく批判せず、誕生して年数の浅い現政権与党への批判ばかりに血道をあげる読売・産経もまた信用に値しないダメディアなのである。


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