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半導体のお話

2011-03-14 22:05:31 | 地球と物理
おおよそ海辺の砂粒を構成する一番ポピュラーなものといえば石英であろう。

石英は溶かして固めてガラスにもなる。

綺麗に結晶を作れば水晶、まだら模様に固まれば若狭地方の名産ことメノウになる。

さて、石英とは二酸化珪素である。単体の珪素は通常綺麗な格子状に原子が並んでおり、電気をあまり通さない。

この中に微量の砒素やインジウムを混入すれば、あぶれた電子すなわち自由電子や、格子のつなぎ目の電子の欠員すなわち正孔が結晶内を移動し導電性が出てくる。

自由電子によって電流を流す半導体をN型、正孔によって電流を流す半導体をP型という。

N型とP型を接合させると電流は一方通行になる。

PNPNと接合させたサイリスタでは、順方向に電圧を印加しても一箇所逆方向に電圧が掛かるために電流は阻止される。
ところが、そこに僅かな電流を注ぎ込めば逆方向の部分を電流は乗り越えて導通する。これをターンオンという。

電流の変わりに光を当てても光電効果によってターンオンさせることが出来る。

これを利用すれば、交流を直流に、直流をON・OFF繰返すことで交流に変換できる。

現在日本で電力系統は東日本では50Hz、西日本では60Hzで運用されており、相互間は直流系統を媒介に整流もしくはインバータをもって接続されている。整流器もインバータも半導体であり、接合面に許容される電流密度には制約がある。

したがって50Hz系統と60Hz系統の間の潮流には普通の電力回線よりも制約を受けることになる。

現在日本では1000MWが限界らしい。およそ原子炉1基による発電機相当。

このたびの東日本大震災による東京電力の原電の惨状とそれに伴う深刻な電力不足に乗じて、私達関西人に東京に電力を送るために節電を呼びかけるガセが出回ったようであるが、私達が普通に日常生活を送り電力を消費しても周波数変換の容量分を発電できる余力を西日本の電力会社は持ち合わせているのである。

もちろんこの機に節電を心がけるのは良いことである。

しかし目を悪くしてまで暗がりで本を読んだり、凍えて死にそうな目に遭ってまで空調をOFFにする必要などどこにもないのである。

ただ、私のような関西人もぜんぜん足しにならない上に日常生活に支障をきたすような節電をするつもりはないが、被災者のために力になれることがあれば協力したいものである。

テレビはニュースを点でリアルタイムに伝える。

やがてテレビのニュースは他の出来事に関心を移すであろう。

そのときこそ本当に被災者が支援を必要としており、ニュースを線で捉える新聞が一般の読者に何が出来るかを情報提供するときではないだろうか・・・


目を背けたくなるような災害の惨状をリアルに伝えることがメディアの使命であることに異論を唱えるつもりはない。

同時に茶の間でニュースや新聞を見る人々に何が出来るかの情報提供をすることもメディアの重要な使命と言える。

惨状を見て何か力になりたいと思いながらも何が出来るか分からずにいる人々が全国にゴマンと居るはずなのだから。


コメント
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