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海の生き物達

私、かまぢが海で出会った生き物達を画像と共に思う事を書いていきます

ヒメユリハゼ

2007-06-19 20:59:06 | ハゼ科
和名 ヒメユリハゼ
学名 Ptereleotris monoptera

珊瑚礁域の潮通りのよい場所で群れているのがよく見られる。
クロユリハゼの仲間で
英語名ではダートゴビー、ダートフィッシュと呼ばれる魚の仲間。
伊豆方面ではもちろん死滅回遊魚になる。
和歌山辺りでは通年を通して見られるので
繁殖も成功しているのではないだろうか?

クロユリハゼの仲間としては低水温にも比較的強いようで
伊豆でも毎年越冬個体が存在している。
登場する時にはほぼ成魚になっているので
冬の寒い時期には岩の隙間や砂の中で冬眠をしているらしい。

学名の「monoptera」は1本の鰭?翼を意味しているが
鰭はそのような感じではないし
体が細いので体型を一本の翼と解釈した方がいいのかもしれません。
これは勝手な推測なので全然見当違いの可能性も大。

この仲間はきれいな種が多いがヒメユリハゼも
派手ではないけど優雅なキレイさがある。
水深も浅い場所に多く寄り易いので
窒素抜きタイムの被写体としてもお勧めです。

ササハゼ

2007-05-16 22:25:33 | ハゼ科
和名 ササハゼ
学名 Valenciennea wardi

周年を通して伊豆半島でも見られるクロイトハゼの仲間。
大瀬崎の湾内では水深20m前後くらいの砂泥地で見られる。
他のクロイトハゼ属の仲間より着底している事が多い。
比較的神経質で近寄ると巣穴の中へ逃げ込む。

背鰭に黒色斑(眼状斑?)が成魚でもあり
熱帯域のカニハゼ(通称)に感じも似ている。
ササハゼの方が大型で色彩もキレイ。

幼魚は頭と目が大きくとても可愛らしい。
成魚よりも神経質ではなく比較的より安い気がします。

クサハゼ

2006-12-02 16:40:18 | ハゼ科
和名 クサハゼ
学名 Vanderhorstia sp.1

関東近辺から琉球まで広く分布する泥地を好むハゼ。
以前はV.mertensiと学名があったが
数年前にspとされてしまった。
紅海に生息する物も一緒とされていたので
いずれきちんと分類される日が来るでしょう。

伊豆の海では珍しくもなくあちこちにいるけれど
あまり目立たないので見た事がないダイバーも多いかも。
共生ハゼなので不用意に近づくと
直ぐに引っ込んでしまうのもメジャーになれない原因か?
写真に撮ると体色の素晴らしさに
うっとりしちゃうんですけどね~。

地域によって大きさにも差があるようで
自分が知っている所では
東伊豆の川奈、西伊豆の獅子浜の個体が大型で
中層に浮き上がり
ヒレ全開でホバリングしている姿は見応えあり。
東伊豆の宇佐美や西伊豆の大瀬崎の個体は小型で
ホバリングしている姿もあまり見られない。
しているのかもしれないが小さくて見えないとか!?

共生ハゼで引っ込むと最初に書いたけど
他の共生ハゼに比べると大胆で
ダテハゼと同じくらい寄る事が可能。
とっても良い被写体です。

でも共生ハゼと言われているけど
テッポウエビの姿って見た事無いんですよね。
自分の目が悪いのか
出てこないタイプのテッポウエビなのか・・・
図鑑などの写真でもエビと絡んでるのは見た事ありません。




サビハゼ

2006-09-01 22:06:45 | ハゼ科
和名 サビハゼ
学名 Sagamia genetonema

本州全域から朝鮮半島まで広い分布域を誇る超一般種。
内湾よりも潮が入るような砂地を好むらしいが
泥地(シルトまではいかないが)にもしっかり生息している。

体色は地味で見事に砂地にカモフラージュしていて
結構気付かないダイバーも多い事でしょう。
幼魚期は群れながら少し水底から離れて泳いでいるので
成魚よりも目立っている。

人間の目から見ても目立っているので
当然捕食者からも目立っていると思われる。
その為浮いているサビハゼの群れの周りでは
しばしばヒラメやオニカサゴやサツマカサゴといった
捕食者達の姿が見られる。

何度かサビハゼの群れの周りを数匹のヒラメが泳ぎ回り
時折その群れに突っ込む光景を目撃してるが
あまりサビハゼ達は逃げ惑う行動はしない。
突っ込まれた瞬間は群れがばらけるのだが
直ぐに固まり位置も変えずにまた浮遊しているのです。
せっかく保護色になっているのだから
無理に水底から離れなくてもいいと思うんですけどね~。

地味であまり目立っていない魚ではあるが
よ~くアップで見ると髭がモジャモジャ出ているし
目もクリッとしていて愛嬌もある。
光のあたる加減によってはクリクリ目玉がグリーンに輝き
地味な中にも美しさを見つける事ができます。
もう少し人気があってもいいかな~と思う魚であります。

子供の頃毎日のように釣りに行っていましたが
マハゼを釣っていると極稀にサビハゼも釣れました。
当時の図鑑でもサビハゼという名前は調べられたのですが
釣りであがる個体は赤っぽく錆色っぽいので
「サビハゼ」だと思い込んでいました。
でも潜って水中でみるサビハゼは赤っぽくありません。
子供の頃の推測は間違っていたのでしょうか?
それとも名前を付けた時の標本が
自分が子供の頃に見た色と同じ体色で
「錆ハゼ」になったのでしょうか?
ちょっと気になっているのでした。

全然違う意味の可能性の方が大きいですけどね。

ちなみに当時釣れたサビハゼはマハゼと一緒に
天ぷらにして食べていましたが
不味いという事もなく普通に食べれました。

ホシノハゼ

2006-07-13 00:14:16 | ハゼ科
和名 ホシノハゼ
学名 Istigobuis hoshinonis

前に紹介をしたクツワハゼと同属のホシノハゼは
分布域も生息環境も似たような感じで
本州(関東)~沖縄周辺までの内湾のような場所を好む。

普段は他のクツワハゼの仲間と一緒で地味な体色だが
繁殖期の雄の婚姻色はこの仲間では一番キレイだと思います。
特に雄同士の戦いで口を大きく開き
鰭を全開にしている時の体色は美しすぎです。
この写真も雄の婚姻色を出している時です。

婚姻色はベラやハナダイほどの早さではありませんが
興奮状態を解くと一気に通常色に戻ってしまうので
色を変わっているのを見つけたら驚かせないように
そっと観察してみてください。
興奮させる裏技(結構有名な方法)も存在しますが
ここでは内緒と言う事でお許しください。

クツワハゼと並んで伊豆地域ではどこでも見られる普通種で
ダイバーの話題になる事はほとんどないハゼですが
ガイドさんやハゼ好きな人達にはそこそこ人気です。
ただ個体数が多く水深3mからでも見られるので
ホシノハゼだけを狙うダイビングをする人はいないのではないでしょうか?
安全(減圧)停止中に観察をするにはちょうど良いかもしれません。






クツワハゼ

2006-06-22 23:25:19 | ハゼ科
和名 クツワハゼ
学名 Istigobius campbelli

関東付近の温帯から西表、台湾の亜熱帯まで広く分布する
パッと見は地味なイメージのハゼ。

伊豆近辺の海では同属のホシノハゼがいるが
地味さではクツワハゼが少々上。
しかし繁殖期などに雄が見せる体色は
蛍光グリーン、蛍光ブルーのスポットが浮き上がり
一見の価値はあるでしょう。

伊豆の海では砂地にゴロタが点在しているような場所で
極々普通に見られ特に逃げもしない図太い神経を持つ。
その割りに「この魚はなんていうんですか?」
というような質問はまず出ません。
やはり地味という事なんでしょう。
ガイドしてても滅多に指差す事もないんですけどね。

じっくりゆっくり観察すると
なかなか味わい深い魚でもあるんですけど
書く事があまりないのはやはり・・・

クツワハゼファンの方がいらっしゃったらすいませんです。


ハナハゼ

2006-06-09 22:19:15 | ハゼ科
和名 ハナハゼ
学名 Ptereleotris hanae

本州を代表する遊泳性のハゼ。
以前は琉球列島までの分布で「本州型」「沖縄型」と
言われていたのが別種となったそうです。
という事でこの魚も熱帯の海でガイドする人にはレアネタです。

ハナハゼは他の共生ハゼ達の巣穴に同居する為
三者共生という珍しい生活形態をとっています。
図鑑などでも紹介されるので知っている人も多いでしょう。
ただ幼魚期は群れていて共生ハゼの巣穴と決まっておらず
適当な穴、岩の隙間などに入り込むのが観察されるので
三者共生という立場をとるのはある程度成長してからだと思われます。

その三者共生ですがハナハゼはどんな役割があるのでしょう?
ハナハゼは通常は中層に浮かんでいるので
一番先に外敵を察知して巣穴に逃げ込むので
ダテハゼ、テッポウエビの危険度を下げるなんて言われます。
実際のところはどうなのかは不明です。
自分的にはハナハゼだけが得している
偏利共生(害は与えてないので寄生ではない)な気がします。
でもペアで(しかもハナハゼはでかい!!)素穴に逃げ込んだりするので
邪魔なはずなんだけど追い払ったりする事はないんだな~。
そういうシーンが目撃されたらかなりニュースかも!?

ハナハゼは糸状に尾鰭が伸長するので泳ぎも優雅に見え
名前もそこからきたものと思われます。
学名もhanaeですからね~。
体色はメタリックブルーに輝きとても美しい。
水中では解りにくいけど体側に赤いラインが入るのもお洒落。
個体数は多いので重宝はされませんが
何度見ても飽きず伊豆のお勧めフィッシュ筆頭でしょう。

巣穴に逃げ込むのが早いので観察する時は
時間をかけてゆっくり寄るのが基本です。
でも東伊豆の川奈、西伊豆の獅子浜では
うじゃうじゃ群れていて初心者でも寄りやすいですよ。