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乃木坂3期の握手会人気に「格差」拡大の兆候、新人4期の登場と日向坂の存在感アップが影響か [17Jul19]

2019-07-17 01:30:00 | 芸能

乃木坂の握手会人気に関しては、ここ二年ほど、多少の変動はあっても、基本的には好調であるとの感触を持っていました。

そのため23枚目「Sing Out!」のオリコンCD初動が前作割れしても、握手会日程や発売前応募次数の条件が影響したのだろうと、あまり深く分析しなかった。

ところが24th選抜の発表に伴い、23枚目個別握手会のセールスをあれこれ調べてみて、スルーできない数字がいくつかあることに気づいた。

次の表はメンバーの完売状況を期ごとのグループ別にまとめ、22枚目と23枚目で同時期比較したものです。

(表1) 乃木坂46の22枚目及び23枚目個別握手会における1期2期3期の完売状況

凡例
完売部数/担当部数 (部数ベース完売率) 推定売上枚数(枚数ベース販売率)=全体寄与率 期名 参加人数/グループ人数
# 22枚目、23枚目ともに第11次応募終了時点の数字
# 23枚目は4期の売り上げ分を除いて、1期2期3期の合計分を100%としている

22枚目「帰り道は遠回りしたくなる」
170/180部(0.944) 13.4万枚(0.993)=23.5% 1期 07/18人
194/240部(0.808) 17.7万枚(0.981)=30.9% 2期 09/10人
312/350部(0.891) 26.0万枚(0.992)=45.6% 3期 12/12人
========================================
676/770部(0.878) 57.1万枚 (0.989)=100% 全体 28/40人

23枚目「Sing Out!」
092/113部(0.814) 08.2万枚(0.972)=16.4% 1期 05/12人
208/248部(0.839) 18.2万枚(0.977)=36.3% 2期 09/09人
240/330部(0.727) 23.7万枚(0.957)=47.3% 3期 11/12人
========================================
540/691部(0.781) 50.1万枚(0.967)=100% 全体 25/33人


気になったのは、3期の部数ベース完売率。

22枚目で350部中312部完売の89.1%だったものが、23枚目は330部中240部完売の72.7%と、16%も下がっている。

例えば1期の場合は、トップメンバーの参加不参加が「卒業」や外仕事によってシングル毎に大きく変化するため、グループとしてまとめた数字を比較してもあまり意味はない。

しかし3期は参加メンバーの変動が少なく、しかも担当部数が基本的に全員30部に設定されている。

ほぼ一定の条件が保たれている中での16%ダウンはさすがに気になるものがある。

2期もメンバーのほとんどが個別握手会に参加し、数字を比較しやすいグループですが、22枚目が240部中194部完売の80.8%に対して、23枚目は248部中208部完売の83.9%で、3%ほどのアップと、まあ大きな変動はないとの印象を受ける。


3期の握手会人気に何が起こっているのか、個々のメンバーについて、22枚目から23枚目へのセールス推移を調べてみました。

(表2) 乃木坂3期メンバーの22枚目から23枚目への個別握手会成績推移

22ndのA/B [C] → 23rdのA/B [C] 22ndから23rdへのA増減/B増減 : メンバー名 (選抜入り回数/抜擢対象回数)
# A=完売部数、B=担当部数、C=全完売次数又は部数ベース完売率
# 第11次応募終了時点での完売状況を比較
# 23rdでの推定売り上げ枚数順に上からメンバーを並べている
# 完売部数・担当部数・全完売次数が同じ場合はあ「あいうえお」順
# メンバー名の色は23枚目選抜における所属列で、青色は1列目緑色は2列目オレンジ色は3列目

25/25部 [2次] → 30/30部 [2次] +05/+05 : 梅澤美波 (04/07回)
30/30部 [2次] → 30/30部 [2次] 同00/同00 : 久保史緒里 (03/06回)
30/30部 [2次] → 30/30部 [2次] 同00/同00 : 与田祐希 (06/07回)
30/30部 [3次] → 30/30部 [3次] 同00/同00 : 大園桃子 (05/06回)
30/30部 [4次] → 28/30部 [0.93] -02/同00 : 佐藤楓 (02/07回)
30/30部 [5次] → 26/30部 [0.87] -04/同00 : 岩本蓮加 (02/07回)
30/30部 [4次] → 25/30部 [0.83] -05/同00 : 伊藤理々杏 (02/07回)
30/30部 [7次] → 25/30部 [0.83] -05/同00 : 阪口珠美 (01/07回)
25/30部 [0.83] → 12/30部 [0.40] -13/同00 : 向井葉月 (00/07回)
13/25部 [0.52] → 03/30部 [0.10] -10/+05 : 中村麗乃 (00/07回)
09/30部 [0.30] → 01/30部 [0.03] -08/同00 : 吉田綾乃クリスティー (00/07回)
30/30部 [2次] → 00/00部 [欠席] -30/-30 : 山下美月 (04/06回)


梅澤美波、久保史緒里、与田祐希、大園桃子は選抜入り回数が多く、最近では事実上の常連メンバーですが、この4人は22枚目と23枚目で30部全完売次数に変化がなく、安定して高い人気を保持していることが窺えます。

また体調不良から活動を一時控えめにしていた山下美月は、23枚目個別握手会に参加していませんが、4人と同じく既に選抜常連であり、24枚目で再び30部を担当すれば、22枚目に近いセールスを残す可能性が高い。

しかしそれ以外の7人は、全員が前作から完売部数を減らしていて、一斉に人気の伸び悩みに直面している節があり、個々人それぞれが抱える問題というより、全体として何らかの逆風が吹いている印象を受ける。


中村麗乃は担当部数が5部増加したので、直接比較はできませんが、残りの6人は22枚目、23枚目ともに30部担当なので、完売速度が低下したことになる。

各会場の受付終了タイミングが毎シングル一定しているわけでなく、たまたま不利な巡り合わせになった可能性を排除は出来ないけど、それも非完売が1部か、せいぜい2部くらいまでの話で、やはり多くは完売スピードの問題かと思う。

グループ全体の完売率が落ちたのは、23枚目に参加した11人の中で、半数以上のメンバーが22枚目と同じ個人完売率を維持できなかったことが原因。


乃木坂の3期は17枚目「インフルエンサー」で個別握手会に初めて参加して以来、常に高い人気を維持し、その上昇感、盤石感が乃木坂のCDセールスは基本的に安泰という雰囲気を生み出していた。

ところが23枚目「Sing Out!」において、選抜常連のトップメンバー4人は不動の人気をキープする一方、残りのメンバーに関して、これまで上昇傾向を見せてきた握手会セールスに、伸び悩みの兆候が出ていて、グループ内での人気「格差」拡大が懸念される状態になっている。

もちろん、個別握手会の応募時期にライブや舞台など他の出費が重なり、ファンが申し込みをたまたま控えたのかもしれず、24枚目の完売部数を見ないと、まだ断言できない面はあります。


ただ23枚目は4期が握手会に初めて本格参加したシングルであり、選抜常連ではなく、人気がまだ発展途上にある多くの3期メンバーが、影響を受ける危険を否定できない。

また乃木坂23枚目個別握手会の応募開始直前に、日向坂46が「キュン」で単独シングルデビューを果たし、受付期間中に2nd「ドレミソラシド」の楽曲キャンペーンを展開して、急速に存在感を高めていることも見逃せない。

毎週日曜深夜放送の冠番組『日向坂で会いましょう』は、月曜ごとに1stルバム「走り出す瞬間」がiTunesトップアルバムで順位を上げることから、かなりの視聴人気を集めている節があり、乃木坂ファンで日向坂に関心を持つ人が最近、増えているようにも感じる。

日向坂3期の上村ひなのはこの番組で毎回大活躍しており、欅坂2期も徐々に知名度が上がっている。

乃木坂3期にとって、強力なライバルが坂道内に多数出現し、まだ人気を固める途中のメンバーにとって、厳しい環境になりつつあるのは間違いない。


北野日奈子や久保史緒里のケースが示すように、ある程度人気が固まったメンバーは、シングル表題曲に1作、2作参加せずとも、復帰すれば個別握手会で一気に元の数字を叩き出せる。

ましてや個別握手会「免除」の1期メンバーなら、しばらく選抜に入らず外仕事に専念しても、何の問題もない。

本来であれば、握手会人気に伸び悩みが感じられるメンバーこそ、何作か連続で選抜に入れて重点フィーチャーし、人気の安定しているメンバー、とくに握手会免除組は外仕事を優先して、時々選抜を離れるのが理に適ったやり方。


しかし24枚目では、(表2)が示すように、完売スピード低下の懸念がある23rd選抜3列目の佐藤楓、岩本蓮加、伊藤理々杏、阪口珠美がアンダーとなり、今一番フィーチャーすべき人を、より苦しい環境に置こうとしている。

また向井葉月、中村麗乃、吉田綾乃クリスティーも選抜入りさせれば、チャンスを掴む可能性が十分あるのに、一度もチャンスを与えていない。

ただ3期に関しては、乃木坂加入の初期から、かなり分厚くプロモーションしてきた経緯がありますが、それがなかった2期には、より理不尽な冷遇が続いている。

(表3) 乃木坂2期メンバーの22枚目から23枚目への個別握手会成績推移

# 表記法は(表2)と同じ

30/30部 [3次] → 30/30部 [3次] 同00/同00 : 堀未央奈" (16/18回)
00/00部 [欠席] → 30/30部 [4次] +30/+30 : 北野日奈子 (07/16回)
30/30部 [3次] → 30/30部 [4次] 同00/同00 : 新内眞衣 (10/18回)
30/30部 [5次] → 30/30部 [4次] 同00/同00 : 渡辺みり愛 (01/18回)
25/25部 [3次] → 28/30部 [0.93] +03/+05 : 鈴木絢音 (02/18回)
25/25部 [4次] → 26/30部 [0.87] +01/+05 : 寺田蘭世 (02/18回)
30/30部 [6次] → 25/30部 [0.83] -05/同00 : 山崎怜奈 (00/17回)
17/25部 [0.68] → 09/20部 [0.45] -08/-05 : 伊藤純奈 (00/18回)
04/15部 [0.27] → 00/18部 [0.00] -04/+03 : 佐々木琴子 (00/18回)


選抜起用が23枚目の1回だけなのに、北野、新内と同じ30部を4次で全完売している渡辺みり愛が、24th選抜に入っていないのは、どう考えてもおかしい。

24枚目の期間に、ハリウッドの大作映画でミラ・ジョボビッチと共演する外仕事があるなら納得できるけど(笑)、加入以来6年もの間、研究生やアンダーに置かれながら、コツコツここまで人気を上げ、ようやく初選抜を掴んだメンバーを、次の新人4期大抜擢選抜で、あっさりアンダーに行かせるなんて、さすがに人としての在り方を運営に問いたくなる。

また、近年バラエティ番組での活躍が目覚ましい山崎怜奈も、握手会人気が高いのに、まだ一度も選抜入りがない。

さらに数多くの舞台に出演し、若手女優として注目を集めつつある伊藤純奈、

少なからぬ乃木坂ファンが稀に見る美貌と個性的なキャラに惹かれ、活躍を期待している佐々木琴子も、

選抜とは無縁の日々が続いている。


れなち、純奈、琴子の握手会セールスも、22枚目に比べて、23枚目はやや伸び悩みが見え、4期登場や日向坂台頭の影がちらつく展開になっており、早く選抜入りさせて、重点フィーチャーすることが必要だと思います。

1期の握手会免除組を、1作2作選抜から外して外仕事に専念して貰うだけで、相当な枠が空くのだけど、高い握手人気なくして選抜なしと言いたいのか、乃木坂運営はそういうことは一切しようとしない。

しかしその一方で、渡辺みり愛のように極めて高い握手会人気を獲得しているのに、選抜から外すケースがあり、自分たちがメンバーに強いている握手会主義というルールを、自分たち自身が守れない組織だと証明する残念な結果になっている。


初期の乃木坂には、AKB48Gと同じく、少数の人気メンバーとそうでない他の多数という「格差」が存在していた。

堀未央奈がセンターに大抜擢された7枚目「バレッタ」以降、急速に進んだ握手会主義の強化で、この「格差」はより拡大することになるが、その果てに待っていたのは9枚目「夏のFree&Easy」における歴代初のオリコン初動前作割れ、そしてビルボード「ルックアップ」の4位転落という、ファンの大量離脱だった。

ただ同時にこの頃、アンダーに落ちた伊藤万理華が「アンダーに対しての概念、ぶっ壊してやる」と宣言、星野みなみと齋藤飛鳥を両脇に従えるTOP3を軸に、強力なアンダーを作り上げようと奮闘を始める。


アンダーライブを生み出したまりっかの奮闘は、その後も受け継がれていき、アンダーから選抜を凌駕する人気メンバーが次々出現し、アンダーはもはやアンダーと呼べないほど人気を集めていく。

その結果、乃木坂はメンバー間の人気「格差」が非常に少ないグループとして発展し、AKB48のような大量加入なくして、高い人気を獲得するに至っている。

乃木坂にとって「格差」の拡大は、それを乗り越えたからこそ、ここまで辿り着けた最大の障壁だったもので、今後も絶対に避けなければならないものだと言えます。


坂道合同オーディションを見ていると、運営は定期的に大量のメンバーを入れ、数人の握手会スターを誕生させさえすれば、今後も高い人気を維持することが出来ると考えている節がある。

しかしその手法は大量の「ベンチウォーマー」を生み出し、抑え込んだ筈の「格差」を再び広げ、ファンの大量離脱を引き起こし、乃木坂をヒットもなく、実人気もなく、ただ単に人数が多いだけのグループに変えてしまう危険が大きい。

今後もすべてのメンバーが活躍できる「格差」の小さい乃木坂であり続けなければ、人気を維持することは難しい。

伸びつつある芽が真っ直ぐ伸びていけるようサポートして、全員が舞台の真ん中で輝けるチームにすることが、乃木坂が今後も発展していく唯一の道だと思う。


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乃木坂46「ひと夏の長さより・・・」がiTunesトップソングで2017年9月3日(日)以来の約2年ぶりとなる200位圏内ランクイン。最高到達13位、圏内滞在28日は歴代CW曲中、「Against」に次ぐ2位の成績で、もともと人気の高い曲だが、『乃木坂工事中』で久保史緒里が歌声を熱く語ったことで注目を集めた可能性
13:09 - 2019年7月16日

乃木坂24th選抜について、23rdからのメンバー列移動、23枚目個別握手会のメンバー別セールス、各期売り上げ寄与率などを調べブログにしました。今回は前作選抜22人の中、17人が所属列が後ろに移動する「降格」となり、一方「昇格」はゼロ。盛り上がれる要素の乏しい構成ですが、短期撤収の可能性もあり
2:40 - 2019年7月16日


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