乃木坂46の最新曲「Route 246」は10月31日土曜日がダウンロード、ストリーミングともに配信100日目(D)で、そろそろ指標動向をまとめておきます。
「Route 246」は、引退を表明していた小室哲哉氏が作曲編曲を担当したことで話題となりましたが、一方でCDの発売はなく、MVもYouTube公開はTeaser動画のみと、限定されたリリースになっている。
前作「世界中の隣人よ」も、CDなしの配信限定曲でしたが、フルMVがYouTubeで公開されていた。
ただ音楽番組での楽曲披露は、以下に示すように9回に及び、これは白石麻衣が「卒業」センターを務めた25th表題曲「しあわせの保護色」の7回を上回っており、いつも以上に分厚いプロモーションだった。
(表1)乃木坂46「Route 246」のテレビ披露
凡例
[順番] 演奏時間 : 日付 テレビ局『番組名』
[1] 2分29秒 : 2020/08/01(土) [地デ] フジテレビ『HEY!HEY!NEO! MUSIC CHAMP』
[2] 3分47秒 : 2020/08/03(月) [地デ] TBS『CDTVライブ!ライブ!』
[3] 2分29秒 : 2020/08/04(火) [地デ] NHK総合『うたコン』
[4] 2分29秒 : 2020/08/15(土) [地デ] フジテレビ『MUSIC FAIR』
[5] 2分29秒 : 2020/08/17(月) [地デ] テレビ東京『乃木坂工事中』
[6] 2分28秒 : 2020/08/22(土) [地デ] 日本テレビ『バズリズム02』
[7] 2分28秒 : 2020/08/26(水) [地デ] フジテレビ『2020FNS歌謡祭夏』
[8] 2分29秒 : 2020/09/12(土) [地デ] 日本テレビ『THE MUSIC DAY 第2部』
[9] 2分29秒 : 2020/09/30(水) [地デ] テレビ東京『テレ東音楽祭2020秋』
日本テレビ『THE MUSIC DAY 第2部』2020/09/12(土)
4分32秒 乃木坂46×小室哲哉SPメドレー
1) 0分23秒 Get Wild = TM NETWORK(1987) by 梅澤堀飛鳥星野山下
2) 0分33秒 恋しさとせつなさと心強さと = 篠原涼子(1994) by 生田高山
3) 0分26秒 SWEET 19 BLUES = 安室奈美恵(1996) by 遠藤久保賀喜
4) 0分37秒 survival dAnce 〜no no cry more〜 = TRF(1994) by 乃木坂46
5) 2分29秒 Route 246 by 乃木坂46「Route 246」選抜 [阪口→与田]
単に出演した音楽番組の本数が多いだけでなく、表1後半で紹介したように、小室哲哉氏がプロデュースした往年の大ヒット曲の4曲メドレーを、普通なら複数アーティストが参加するところを、乃木坂が独占してパフォーマンスし、最後に「Route 246」を持ってくるという、時間を掛けた、工夫を凝らした演出もあった。
かつて一時代を築いた超大物プロデューサーの小室氏による久しぶりの曲ということで、運営に気合が入ったのかもしれないけど、全アーティストの中でも、質、量ともにトップクラスのテレビ露出で、プロモーションは十分だったと思います。
次の表2は iTunes Store と Apple Music の両トップソングにおける「Route 246」の順位推移で、ダウンロード数とストリーミング数に基づく順位推移を一つのグラフで示しています。
(表2) |
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上述した『THE MUSIC DAY 第2部』における小室哲哉氏の楽曲メドレーは配信51日目(D)に行われましたが、実は47Dから50Dまで「Route 246」のiTunes Store トップソング順位は下落傾向にあったのだけど、このステージを機に大幅な反転上昇が起こり、しばらく60位付近に留まり続けます。
ただ最後のテレビ披露となった69D『テレ東音楽祭2020秋』の後、iTunesトップソングの順位は大きく上下しながら、段階的に低落する軟調な動きとなり、Apple Music トップソングの方も下落モードに入っている。
テレビ露出は十分なんだけど、プロモーションが一段落した後、順位を高く維持する形にならず、急激に不安定となり、順位の下落傾向が強まっている。
4期曲「I see…」のMV再生回数のように、楽曲のテレビ披露がほとんどないのに、数字がぐんぐん伸びていくなんてケースは滅多になく、「Route 246」の配信順位は通常パターンを踏襲していると捉えた方がいいのかもしれない。
では、「Route 246」の順位推移は、過去の曲と比べて、どのくらい高いのか、あるいは低いのかを調べていきます。
(表3a) |
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(表3b) |
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表3aは15th以降の乃木坂46主要曲の iTunes Store トップソング順位の日単位変化を表したグラフで、配信70D以降はやや低めの推移に見える。
順位変動の特徴を掴むため、200位圏内を1〜20位、21〜40位、41〜70位、71〜100位、101〜150位、151〜200位の6つに分け、配信開始後140日間で各順位帯に何日入ったかを示したのが表3b。
「Route 246」は10月31日(土)の時点で未だ100日目(D)ですが、100位を大きく割り込んでいる最新の順位変動から、iTunesトップソング100位圏内の順位帯別日数はほぼ決まったと考えていい。
まずTOP20入り日数は19日で、22nd「帰り道は遠回りしたくなる」の28日、20th「シンクロニシティ」の26日、19th「いつかできるから今日できる」の25日に次ぐ4番目の長さになっている。
一方、21〜40位には30日入っていて、これは表3bに載せた主要14曲中の最長で、TOP20を去った後、一気に下落するのではなく、TOP40に粘り強く留まったことが窺える。
そして、この順位帯に長く滞在したことで、赤色とオレンジ色を合わせたTOP40日数は49日に達し、22nd「帰り道は遠回りしたくなる」の52日に次ぐ2番手となってる。
しかしより低い順位帯を見ると、41〜70位へのランクインは24日で14曲中の5番目、71〜100位は12日で12番目と、41位以下に関しては割とあっさりした印象で、TOP40を去った後は、順位の下落ペースが加速している。
次にBillboard JAPAN Hot100「ダウンロード数(D)」の順位推移を見ていきます。
基本的には iTunes Store トップソングと同じ発想のランキングですが、ビルボードのD項は週単位のDL数で順位を決め、発表される範囲は100位までの為、順位推移の傾向をより俯瞰的に眺めることができる。
(表4a) |
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(表4b) |
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表4aの点線で示した「Route 246」は、配信1Wから4WまでTOP20に入った後、6Wで一段階下がり、9Wまで40位付近をキープ。
しかし10W以降は順位下落のペースが加速し、最新チャートである11/02付に相当する14Wにおいて100位圏外を喫しています。
やはり、iTunes Store トップソングと同じく、TOP40までの粘りが顕著である一方、そこを去った後は、軟調な動きになっている。
表4bは1位から100位までを4つに分け、配信開始後30週間で各順位帯に何週入ったかを示しています。
iTunes Store トップソングと細かい違いはありますが、「Route 246」がTOP40に入った7週は、16th「サヨナラの意味」7週、17th「インフルエンサー」7週、20th「シンクロニシティ」7週、22nd「帰り道は遠回りしたくなる」8週と遜色ないトップクラスの長さである一方、41位から100位までの6週はやや短めで、iTunesソングと似たような傾向が窺える。
TOP20入りはやや短く、TOP40はかなり長めだが、それより下の範囲では低落スピードに加速感が見られ、高順位の保持はテレビを通したプロモーションへの依存度が大きい。
CDなし、フルMVなしと、曲を聴く方法が配信に絞られる上に、小室哲哉氏作曲の話題性と多数の音楽番組への出演という追い風の中、乃木坂46「Route 246」のこういった順位成績をどう評価するかは難しいところで、出来ればもうちょっと長く上位に留まって欲しかったとの思いもある。
ただ「Route 246」の配信人気に関して最も気になるのは、ストリーミング数の順位推移がここまで紹介してきたダウンロード数のそれより、さらに低いことです。
(表5a) |
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(表5b) |
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表5aはビルボードHot100「ストリーミング数(S)」における15th以降の乃木坂46主要曲の順位推移。
配信開始の1Wから20Wまでを示しており、「Route 246」は「ダウンロード数(D)」と同じく最新14Wまで順位が発表されている。
また表5bは1位から100位を4つに分け、配信開始後30週間で各順位帯に何週入ったかを示したグラフです。
表5aと表5bから分かるように、「Route 246」はTOP20が1週もなく、TOP40も1週だけで、16thから24thまでの歴代表題曲と比べ、上位進出の勢いが弱い。
41位から100位の範囲は10週と長めにランクインしており、粘りを感じさせる部分はあるものの、D項のように過去の表題曲と互角の順位推移という感じではない。
Apple Music トップソングの順位推移は、iTunes Store トップソングほど古くからデータを取っているわけではなく、最近の坂道曲しか順位が分かりませんが、一応、グラフを載せておきます。
(表6) |
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24th「夜明けまで強がらなくてもいい」と日向坂46の2nd「ドレミソラシド」に比べると、「Route 246」は初期のTOP40入り日数が短い一方、41位以下では粘り強い100位圏内ランクインが見られ、ビルボードS項の順位推移とやはり似た特徴を持っている。
YOASOBI「夜に駆ける」、LiSA「紅蓮華」「炎」、BTS「Dynamite」、NiZiU「Make you happy」など、ヒットしている曲の多くは、 iTunes Store と Apple Music の両トップソングなど、ダウンロードとストリーミングの双方のランキング上位に登場しており、逆に両方に曲名があるからヒットしているとも言える。
(表7) |
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表7は iTunes Store と Apple Music の両トップソングにおけるNiZiU「Make you happy」の順位推移ですが、iTunesでは配信開始から最新125日目(D)までTOP10から落ちたことがなく、Apple Musicの方もほぼTOP20に入り続けている。
ダウンロード(DL)は基本的に1人1回の購入なので、音楽番組でパフォーマンスを披露するなど、注目が集まるとDL数が伸びる傾向があり、一方ストリーミング(Str)は曲を気に入って、日常的に繰り返し聴いている人が増えればStr再生数が伸びていく。
DL数はある程度伸びているのに、Str再生数がそれに見合っただけ伸びていなければ、興味を持ってくれる人はいるのだけど、繰り返し聴いている人が増えていないことになり、ヒットしているとは言いづらい。
「Route 246」は徹底したテレビ露出によって、関心を集めることには一定の成功を収めたけど、曲を何度も聴いてもらう点に関しては、過去の表題曲に匹敵するレベルに至らなかった可能性がある。
現在、乃木坂46のメンバーやグループの知名度は高く、音楽番組での扱いも良く、高い視聴率を期待できる時間帯に、相当な長さのステージを貰うことが出来、お茶の間へのアピール力は強い。
そういったプロモーションによって、新曲への注目度を高めることは出来ているが、今後は、さらに一歩進んで、曲をじっくり聴いてくれる人をどう増やすかが課題になる。
楽曲の方向性、選抜の人選と配置、パフォーマンスのあり方など、見直すべき点は多いんじゃないかと思います。
最後に、オリコンのデータを紹介しておきます。
週間デジタルシングル(単曲)は2018年初めから一般発表されている週毎のダウンロード(DL)数に基づくランキングで、30位までしか発表されないものの、各曲の週積み上げと累計のDL数が記載されています。
つまり30位以内に入れば、具体的なDL数が分かるのですが、30位圏内に10週、20週と長くランクインする曲はそもそも相当なヒット曲で、近年の乃木坂にとってはなかなか厳しい条件になる(笑)。
以下の表8aは配信開始1Wから集計対象となった、20th「シンクロニシティ」以降の乃木坂46主要曲の1〜5Wのデータです。
(表8a) 乃木坂46主要曲のオリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキングの推移(1)
凡例
1→2→3→4→5W積上[順位 累計] 曲名_グループ名 Sg番号
# 1週目(W)は配信開始週
# 積上と累計の単位は万DL
#「30外」は30位圏外、「0.00」は圏外のためDL数不明の意
乃木坂46
1.79 [04位1.79]→1.48 [04位3.27]→0.93 [09位4.20]→0.54 [15位4.74]→0.44 [22位5.18] シンクロニシティ_乃20
1.53 [05位1.53]→1.00 [06位2.53]→0.55 [21位3.09]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] ジコチューで行こう!_乃21
1.58 [09位1.58]→1.22 [10位2.80]→0.64 [14位3.44]→0.47 [26位3.91]→0.00 [30外0.00] 帰り道は遠回りしたくなる_乃22
1.07 [05位1.07]→0.85 [12位1.91]→0.41 [25位2.32]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] Sing Out!_乃23
1.06 [11位1.06]→0.97 [14位2.03]→0.45 [27位2.48]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] 夜明けまで強がらなくてもいい_乃24
0.73 [08位0.73]→0.52 [17位1.25]→0.37 [19位1.61]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] しあわせの保護色_乃25
0.33 [28位0.33]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] I see…_乃25C
2.05 [02位2.05]→0.43 [23位2.48]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] 世界中の隣人よ_乃配信1
3.34 [04位3.34]→1.53 [07位4.87]→0.99 [12位5.86]→0.59 [20位6.45]→0.44 [26位6.88] Route 246_乃配信2
(参考)
3.49 [02位3.49]→1.65 [07位5.15]→0.88 [08位6.02]→0.57 [20位6.59]→0.51 [11位7.10] ガラスを割れ!_欅6
3.42 [01位3.42]→0.70 [18位4.12]→0.30 [27位4.42]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] 誰がその鐘を鳴らすのか?_欅9
2.45 [01位2.45]→1.23 [08位3.68]→0.76 [12位4.44]→0.71 [18位5.15]→1.17 [11位6.32] Make you happy_NiZiU
「Route 246」配信1Wのダウンロード数は3.34万DLで、20th以降の乃木坂では最多、また坂道全体では1位である欅坂46・6th「ガラスを割れ!」の3.49万DLと僅差の2位と高い水準となっている。
そして2W以降もDL数に関しては、20th「シンクロニシティ」よりやや多い乃木坂トップの週積み上げを維持し、坂道全体では「ガラスを割れ!」とほぼ互角の推移を辿って、5Wにおいて累計6.88万DLを記録しています。
近年、ネットで音楽を視聴する人の数が増えるに伴い、ダウンロード(DL)やストリーミング(Str)を取り巻く環境は激変していて、リリースが1年以上前だと、同じ乃木坂の曲であってもDL数やStr再生数を直接比べることが妥当かどうか判断できない面がある。
とくに定額聴き放題のオーディオストリーミングに多くのレコード会社やアーティストが力を入れ始めている今、ダウンロードからストリーミングへの流れも考えられ、DL数の評価は非常に難しい。
従って、2020年の最新曲「Route 246」と2018年の春曲である「シンクロニシティ」や「ガラスを割れ!」のDL数を比べても、正直、あまり意味がない気がします。
一方、最近の曲であるNiZiU「Make you happy」と比較することは出来る。
「Make you happy」は4Wと5Wの積み上げで「Route 246」を越えているものの、乃木坂は1Wから3WでNiZiUを上回り、5W累計において僅差ながら優勢を保っている。
では「Route 246」は「Make you happy」よりDL人気が高いかというと、6W以降のデータを見る限り、全然そんなことはない。
(表8b) 乃木坂46主要曲のオリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキングの推移(2)
凡例
6→7→8→9→10W積上[順位 累計] 曲名_グループ名 Sg番号
# 積上と累計の単位は万DL
#「30外」は30位圏外、「0.00」は圏外のためDL数不明の意
乃木坂46
0.37 [28位5.55]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] シンクロニシティ_乃20
0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] ジコチューで行こう!_乃21
0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.42 [25位5.19]→0.93 [18位6.12]→0.46 [30位6.58] 帰り道は遠回りしたくなる_乃22
0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] Sing Out!_乃23
0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] 夜明けまで強がらなくてもいい_乃24
0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] しあわせの保護色_乃25
0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] I see…_乃25C
0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] 世界中の隣人よ_乃配信1
0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] Route 246_乃配信2
(参考)
0.78 [08位7.88]→0.52 [16位8.40]→0.37 [30位8.76]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] ガラスを割れ!_欅6
0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00]→0.00 [30外0.00] 誰がその鐘を鳴らすのか?_欅9
1.07 [10位7.39]→0.95 [12位8.34]→0.85 [10位9.19]→0.77 [16位9.96]→0.77 [12位10.73] Make you happy_NiZiU
「Route 246」は6W以降、最新14Wまで30位圏外で、累計が今どうなっているのか分かりません。
一方、「Make you happy」は表8bが示すように、30位圏内にランクインを続け、10Wの累計は10.73万DL、14Wは15.95万DL、最新17Wでは18.72万DLに達している。
30位圏外でDL数が不明とはいえ、どんなに強気に見積もっても「Route 246」の最新14W累計が「Make you happy」の15.95万DLを超えてる筈はなく、それより少ないのは確実です。
ただDL数にどのくらい差があるのかについては何とも言えない。
オリコン週間デジタル単曲ランキングがせめて100位までの曲名と数字を出してくれれば、乃木坂46「Route 246」とNiZiU「Make you happy」や欅坂46「誰がその鐘を鳴らすのか?」など最近曲との比較は可能で、DL人気をある程度分析できるのだけど、現状では30位圏内に長く入らない限りほとんど何も言えず、実際、そうなっているわけです。
DL数やStr再生数は時代によって大きく変わる数字で、それらを配信初期の数週間だけ断片的に眺めるしかないならば、過去の楽曲は勿論、最近の楽曲と比較するのも難しく、配信人気の高さはなかなか見えてこない。
しかしDL数やStr再生数に基づく順位は、時代時代のPops界における配信人気の相対的な高さを表し、重要な一つのヒット指標として、過去作、最近作と簡単に比較出来る。
配信指標を考えるとき、個人的にオリコンのDL数やStr再生数より、iTunes Store と Apple Music、あるいはビルボードのランキング順位をよく使うのはこういう理由からです。
一応、週間ストリーミングランキングも載せておきます。
(表9) 乃木坂46主要曲のオリコン週間ストリーミングランキングの推移
凡例
1→2→3→4→5W積上[順位 累計] 曲名_グループ名 Sg番号
# 1週目(W)は配信開始週
# 積上と累計の単位は万回
#「30外」は30位圏外、積上「000」と累計「0000」は圏外のためStr再生数不明の意
050 [30外0050]→071 [15位0122]→050 [28位0172]→000 [30外0000]→000 [30外0000] Sing Out!_乃23
062 [26位0062]→090 [14位0153]→072 [24位0225]→000 [30外0000]→000 [30外0000] 夜明けまで強がらなくてもいい_乃24
000 [30外0000]→000 [30外0000]→000 [30外0000]→000 [30外0000]→000 [30外0000] しあわせの保護色_乃25
081 [30外0081]→090 [28位0171]→000 [30外0000]→000 [30外0000]→000 [30外0000] I see…_乃25C
000 [30外0000]→000 [30外0000]→000 [30外0000]→000 [30外0000]→000 [30外0000] 世界中の隣人よ_乃配信1
141 [30位0141]→217 [14位0359]→000 [30外0000]→000 [30外0000]→000 [30外0000] Route 246_乃配信2
(参考)
976 [01位0976]→635 [02位1611]→497 [04位2107]→448 [04位2555]→505 [04位3060] Make you happy_NiZiU
オリコンによると、ストリーミングランキングに関しては、今年の9月28日付チャートから YouTube と YouTube Music をデータとして取り込むそうで、「広告モデル音楽ビデオ・オーディオストリーミング」の場合は、再生数1/3回で反映させるとのこと。
無料公開MVであれば、YouTubeの再生回数が週60万回なら、20万回のStr再生としてカウントするとの意味かと思います。
MV人気の高い楽曲にとって、これは相当大きなプラスになる筈で、逆に「Route 246」のようにMVをYouTube公開しなければ、ストリーミングランキングで非常に不利となるわけで、今後、MV人気の重要性が一層高まっていく措置でしょう。