ジャン・アレチボルトの冒険

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WBC予選ファイナル、パナマがブラジルに痛恨の1点差負け 11月20日(火)

2012-11-20 15:30:23 | 野球
WBC本戦への出場権を賭けた予選 (Qualifier) は、世界の4箇所、ジュピター (フロリダ)、レーゲンスブルク (ドイツ)、新北市 (台湾)、パナマ・シティ (パナマ) において、敗者復活付きのトーナメント方式 (Modified Double Elimination) で行われ、すでにスペイン、カナダ、台湾の本戦出場が決定している。

そして最後に残ったパナマ予選のファイナルが日本時間20日午前10時から行われ、ブラジルがパナマを下してWBCへの初出場を決めた。

パナマはフラデルフィア・フィリーズの捕手 Carlos Ruiz をはじめ、メジャーリーガーを何人も擁して予選に参加したが、ファイナルで痛恨の敗北を喫した。しかもオープニングゲームと併せるとブラジルに2連敗。ホスト国パナマにとっては予想外の結果となり、WBC本戦出場を逃した。

パナマにとっては、相当にショックな結果だと思う。パナマはメジャーリーグで活躍する選手を数多く輩出し、WBCにも過去2回とも参加している野球の強豪国である。しかも、球場名に入っている「Rod Carew」は、メジャーリーグで活躍して野球殿堂入りを果たしたパナマ出身の大選手の名前で、パナマと野球の関わりは長くて深い。

一方、ブラジルは、そもそも国民の間で野球がどのくらい人気があるのか、さっぱり見当がつかない。今回の代表もマイナーリーグの選手やヤクルトのユウイチが中心となっているチームで、過去一度もWBCに出たことがない。パナマからすれば、明らかに格下のブラジルに、サッカーならともかく、野球でゼロ封負けを食らってWBCを逃したわけで、その悔しさは想像に難くない。

しかし、これは日本にとって他人事とは思えない。短期決戦では何が起こるか分からない。とくに良いピッチャーが一人出てくると、それが無名の投手であっても、並みいる有名バッターが凡打の山を築いて点が取れないのは、むしろよくあることである。そして、そうなってしまうと勝敗の行方は、選手一人一人の本来の実力差云々とは無関係なところで決まってしまう可能性がある。

ブラジルがパナマを破ったように、格下のチームが格上を倒すのは、間違いなく短期決戦の醍醐味である。しかし、WBCで2連覇を果たし今回100%ディフェンディングチャンピオンの日本にとっては、アテネや北京を思い出させる強烈な悪夢とも言えるだろう。

WBC本戦は来年の3月2日から第1ラウンドが開始。Pool A から Pool D の4グループに分かれ、各4チームによる総当たり方式 (Round Robin)。開催地は、Pool A から順に、福岡、台中市 (台湾)、サンファン (プエルトリコ)、フェニックス (アリゾナ)。

日本は、キューバ、中国と同じ Pool A に属しているが、残りの1チームが、今回予選で出場を決めたスペイン、カナダ、台湾、ブラジルのどれになるかは、現時点ではまだ決まっていない (TBD = to be determined)。

<試合結果>

勝ち数は今日の試合結果を含む

2勝2敗 予選3組Final 3勝0敗
パナマ 0 - 1 ブラジル
Rod Carew Stadium (パナマ・シティ)

ブラジルは3回裏、パナマ先発の Angel Cuan を攻めて、2本のヒットで無死1塁3塁のチャンス。すると、3番バッターで捕手の Yan Gomes がセンターへタイムリーを打って1点を先制。

ブラジル先発の Rafael Fernandes はパナマ打線に対して、6回2被安打無失点の好投。7回から Murilo Gouvea が登板し、8回までの2イニングを無安打無失点に抑えこむ。

しかし、ブラジル打線は、4回以降、ヒットは出るもののタイムリーが出ず、両チームともゼロ行進。試合はブラジル1点リードのまま、9回表、パナマの攻撃へ。

すると、ブラジル2番手の Gouvea が先頭バッターにフォアボールを与え、犠牲バントも許して一死2塁のピンチを招く。ここで、ブラジルベンチはピッチャーを Thyago Vieira に交代。

Vieira はメジャーの強打者 Carlos Ruiz にいきなりヒットを浴び、火消しのはずが一死1塁3塁と絶対絶命の場面となる。しかし、続く Carlos Lee を空振り三振。しかし、1塁ランナーが盗塁を決め、二死2塁3塁、一打逆転の状況となる。

Vieira は次打者 Ruben Rivera に対して、早めにツーストライクに追い込むが、それからボールを見極められフルカウントに。そして、最後は気迫の一球を投げ込み、空振り三振を奪ってピンチを切り抜けた。

勝利投手は Rafael Fernandes、敗戦投手は Angel Cuan。Thyago Vieira にセーブ。安打数はブラジル10本、パナマ3本。エラーはブラジルが2個、パナマはゼロ。


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