距離84.7KM 累積標高差+4860M という条件で行われたSTY
ウルトラトレイルマウントフジ のSTYという部門です
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スタートからえいどステーション6箇所を経由してゴールへ向かいます
UTMF・STY共にここを目指し2000名以上のランナーが走りました
STYは実際に937人のチャレンジャーがスタートラインに並んだのです
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レース当日26日は上空に寒気が入るという予報。夜間とくに明け方が非常に冷え込む
仲良くしてもらっているトライアスロンチームの総長と寝台特急にて静岡いりして会場へ向かいました
このレースはレギュレーションが厳しく必須装備がすべてチェックされます、悪天候にさらされても生き抜く装備が必要なので必然的に重くなりますよね
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四国の仲間も何人かいてスタート前に談笑と情報交換~
リラックスしてレースに入れました
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夜間まではこのウェアーで走ります
さてstyは13時スタート
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8時間でかえって来ても夜間走行が必要なように設定されています
まあ山に入っていくにつれ8時間では不可能なのがはっきりしていくのですが
開会式のあとにスタート
私は50位くらいの位置で走り始めます
前半は抑えて!そう言い聞かせて走るのですが・・・・なんか知らんが全員速いし!!
先頭はとっくにいっているのに自分の時計には170~180bpmが表示されて
「体がフレッシュだから」と言い聞かせてもおかしい数字だ
でも山に入ると渋滞するので50位くらいにはつけておきたい
そう思い第一エイドであるエイド5を目指します
90分で到達予定でしたが89分。まあいいでしょう
問題は心拍数
平均心拍178bpmってなんだよ?
全体的にレベルアップしてレースそのものが変わっている感じがすると去年走ったランナーからも聞かれます
エイド5で1500キロカロリー消費していたので400ほど補給しエイドを出発します
すぐさま国有林に入り歩行区間
4kmほど歩きこのあたりからしばらく行動を共にする徳島のランナーと合流します
いろいろコースの情報を危機ながら最高点である四辻を目指します
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富士山の南面、溶岩の砂でおおわれた四辻です
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木がなく遮るもののがない四辻は強風によりものすごく寒く、しかも足場は最悪、靴のなかはすぐ小石で一杯になります
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何度も靴を脱いで小石をだしつつ走りますがこれが結構ロスになる
でも取らないと指が血だらけになりそう(笑)
火山帯をかけ降りエイド6に到着
この時点で2500キロカロリーを消費・・使いすぎ
パンとオレンジを食べまくり補給
すぐスタートします
話をしながら富士演習場を徳島のランナーと話ながら7のすばしりを目刺します
しかし、ここで苦手なアスファルトの下り急斜面・・・
膝にくる・・・平均心拍も3時間で172BPM
酸素が薄いにても上がりすぎ
すばしりで10分ほど補給やら休憩して16,4KM、5つの峰を越える難関ルートへ入りますが
エイド7出発直後・・・脚に異変が・・・
膝に力が入らない
いつもの腸脛靭帯炎が発症したのです
まだ30KM地点なのであと55KM・・・絶望敵な距離ですよね
とにかくここをなんとか越えてみよう!そう言い聞かせて半べそかきながら歩き大胴山を目指します
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まああまりにも急斜面なんで歩いてていても抜かれません
というかこの辺りの集団とレース後半までご一緒することになります
膝がいたくて走れない下りで追い付かれ登りで追い抜くを繰り返す感じになるからです
エイド8である きららまで位ってから夜に入ればな~と思っていたのですが
だんだん日が沈み始め
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5連山最後の鉄砲木の頭山で夜に入ります
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しかしまあこの日没前に見た富士山・・・最高で泣いちゃいました(笑)
さて夜に入ります(以降暗いので撮影出来ず)
同時にトレイルの不思議なとこでありますが耐えていればいずれ慣れてくるという感じで
膝の痛みがかなり引きました
夜間の下りは普通の選手は速度が落ちますが~私は上がります(笑)ヘッテン点けてテンション上げ上げです
集団を10人ほど引き連れて長い下りをかけ降り一旦住宅地にでます
エイド8の山中湖きららを目指します
アスファルト5KMのはずが8KMは走った感じです
きららでは夜間に備えて補給をしっかりしてウェアーの変更
そして休憩を取りスタート
このあたりからは急な下り以外の緩斜面は自分のものです!テクニックとか無視し走力に物を言わせるパワースタイル
多くのランナーは臀筋が悲鳴を上げているのですがバイク用の脚がある自分はお尻はなんでもない!ガンガン走り急な登りはハイペースで登ります
またここから険しい山岳地帯へ入ります
エイド9を経て石割山、杓子山へ!
まあどっちも山をいうか崖なんですけどね~2つの山で合計したら登りが1000mくらいの標高差です
だいいち45KM6時間走行してきた脚はもうヘロヘロです
この脚で険しい登山道へ入っていくのです
多くの選手も痙攣なんて当たり前だし
立ち止まって脚と心肺を休める必要も多々あります
でもここまで来たらあと40KM膝は痛いけど希望が見えてきた(普通はまだ半分と悲観しますがラスト30KMなら歩いても10時間という思うが先に出ます)
険しい石割山の下りで再び膝が爆発・・・思わず痛みに震えながら坂を下ります
なんとか9の20曲峠へ到着「杓子山に備えて15分休むこととロキソニンを飲もう」と決意
補給しながら杓子山を越えての15KMへ備えてハイドレーションへもアクエリアスを補給。
「これで仮に全部あるいて5時間でも耐えしのげる」と 言い聞かせます
正直な気持ちとしてはエイド8のきらりで辞めたかった
リタイアしたかった
何度も何度ももうダメだと思ったし、痛みに負けそうになった
でもやはりこんなとき何を考えるのか?
仲間が応援してくれている
家族が応援してくれてる
そう思うと「もうひとつ先のエイドまで!」と自分を鼓舞しつつ向かっていました
人の限界なんて結局は自分が決めるもの
そう何か芯ががあればそれは何時間走ろうとも折れません
さて、問題の杓子山・・・・
もはやトレイルランで使うような山ではあく岩だらけで急斜面、ロープが張りめぐらされている崖ですね
落ちたら死にます(笑)
必死で登り終えたら今度は高度差1000mの下りです
1000mを走るのでばなく
1000m下るというのは平地を走る人には理解されないかと思います、長い長い下りなのです
きつい傾斜は這うようにしながら
緩い傾斜は全力でかけ降りる。ロキソニンはすでに効果が切れた・・・
それを繰り返しながら林道の15KMほとんど走り最終エイドへ
最終エイドまでの1時間共に走ったランナーは川の道520kmを走るほどのランナーでいろいろ話しながら走りました
途中言われた一言で自信が持てたものです
「ここに来てそれだけ走れる脚があったら大丈夫だよ!」とこの距離を初めて走る私を鼓舞しれくれました、お互い勇気を出し合い励まし合うトレイルは本当に素晴らしいですよね
ここからゴールまでは18KMありますが
もはや私の中では
「リタイア」の文字は消え去った
「何が起きても完走できる」その距離になった
しかしここからまた高度差700M上って600M下る・・
なんてランナー泣かせなコース(笑)
もうあまり抜かれるのは嫌だし
ラスト3時間くらいしっかり走らせろ!と思いつつ登りは歩くんですけどね
1時間も上れば山頂付近です、しかしかなり冷え込み、更には熊鈴の音をずっと聞いているからか?やけに物音が気になります幻聴??
山を越えたら
ここから林道登りが始まり
その後、砂利道の林道が永遠続きます
でもここから2時間は極力は走ることに専念!
もう完走できないなんて心配はありませんからね
ガンガン河口湖へ向け下ります
膝の痛みなど気にしている暇はありません
今日は痛みと友達になったのです
痛みを受け入れ、苦しみは自分の体力の残量を示していると思いひたすら進みます
12時間を過ぎ、月明かりに浮かび上がる富士山を眺めつつ今日のレースを振り返ります
いろんなランナー同士声を掛け合い助け合って同じゴールを目指した今日
仲間にたくさんの応援をいただいた今日
リタイアしそうになった自分を恥じた今日
でももう山は降りた
たかがここから6kmそれも平地だ!ここから飛ばして見よう!もう大丈夫!帰って来たと思うと自然と視界が涙でかすむものですね
さあ微塵の力も残してフィニッシュしたくない力を出し切ろう!!オールアウトだ!
そう思いペースをあげます
脛の前の筋肉が疲労の限界で麻痺しているのがわかります。つま先が全く上に上がらないのです
いろいろなところが痛みますが忘れておきます
必死で脚を前にだしキロ4分で河口湖大橋をわたります
さらにペースをキロ3分後半にあげ心臓は170BPMを刻みます
最後の自分への反抗と思い駆け抜けました
長かった14時間24分の旅 深夜3時のゴール
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1200人がエントリーし938人が走ったSTYですが79位と予想からするとぱっとしない結果でしたが初めて走ったこの距離です
今後の自分の課題をよくわかったれレースでした
超ロングへの初挑戦はこうして終わりましたが
人は恐ろしいほどに強いものです
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最後の最後で越えた山は1400m級の山。消耗しきった脚でこの山岳地帯累積標高差+800m距離12kmを2時間余りで抜けたわけです
人の限界なんてしょせん知れているようで本当に限界なんかなんて誰にもわかりません
それを引き出そうとうする自分と環境があればいくらでも広がるのではないでしょうか?
自分の可能性を知りにいきませせんか?
自分なんてこういう距離は向いてませんが
夢中になれる時間があるということはなんにも変えがたいものだと思いますよ
苦しい痛いは当たり前!それをどう受け入れ自分なりに変化させられるでしょうね??
それは・・・・・
やってみないとわかりませんよ~
ただひとつこの距離以上を走るのに大事なのは強靭な体ももちろんですが
第一に「諦めない気持ち」がすべてだと思います
レース関係者、夜中も選手を誘導してくださったたくさんのボランティアの方、エイドのお母さん方、本当にありがとうございました
素晴らしい大会であったことは間違いありません
またきっと怖いもの見たさに走るこでしょう
長々と書きましたが読んでいただきありがとうございます!でもまだまだあります
これを書いている途中にも続々と
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フィニッシュゲートにUTMFの選手が帰って来ています
その選手のことを思い浮かべながら書きました
共に参加したGIOS総長もお疲れ様でした
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このレースで自分越えが出来たかどうか?
間違いなく出来たでしょう
私はまだまだ長い距離を走ることが出来る!そう確信しました
いくら苦しくても解放される瞬間
そして、そこを目指した走ったという事実はずっと忘れることがないでしょう
14時間24分02秒という、じょんの物語り
何もしていない一日ならなんとなく過ぎ去っていくような時間
でも自分が何かを目指して頑張ったなら一生忘れることのない14時間になる
また新しい一歩踏み出した感じがします
来年はUT??と聞かれそうですが
答えはラストのロードでの走りに隠されていると思いますよ
素晴らしき一日を過ごせました
最初に書くことなのでしょうが、本当にたくさんの応援ありがとうございました
どうぞこれからもよろしくお願いします
富士山周辺での山々では
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桜の花びらが舞い散り
選手を励ましていましたよ
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来年もこの富士に帰ってくるか?って
もちろんですとも!!
そして最後に
ロングトレイルランニングというものは
決して一人では走りきれず、根性や気合いとい薄っぺらいものなど全く通用しません
多くの支えあってこそ、コツコツと積み上げてきた脚があり、そして自然をトレイルを愛する情熱がゴールへと導いてくれるのだと感じました
痛みや苦しみ、寒さ、眠気、不安、幻覚なんてのも自然の一部であり
それを越えてこそ初めて見えるトレイルランニングの本質
果たしてこれがスポーツであるのか?
そう聞かれたら私は今後違うと答えるかもしれません
確かにスポーツの一種かも知れませんが。スポーツ?という次元を超えたものであるということは間違いありません
これは人それぞれ感じ方が違うかも知れませんが
間違いないのは
旅だということです
普通に考えてください
84km標高差+4800m以上を24時間で走破出来るなら
それはもう普通の人では有り得ません
一つの違う世界のドアを開けた人種であることは間違いないのです
来年更なる感動があることを期待して
STYのレースレポートを〆ます
何故私が完走できたか?
それは根性でも何でもない
これはきれい事でも何でもないことなので信じてください
超ロング系種目が達成されるのは何故か?
人の温かさを感じることが出来るから
安心というかほっとするというか一人じゃないんだって思えるからですよ
違うでしょうか?
いや違わないよ
STYよありがとうございました
また来るよ!また!じゃあその日まで・・・
これからもしっかりチャレンジしていきます
応援ありがとうございました
偉そうなことを言える立場ではありませんが・・・
やっぱりレースで体験し、レースで学んで気付き、新たなチャレンジが芽生えることは人生にとって幸せなことです!
共に限界という蓋を出来るだけしないようにして、新たなチャレンジを楽しみましょう!
今はゆっくり休んで身体を労わって下さい(*^_^*)