じゅんむし日記

心は急いでいる。それなのに、何も思い通りの形にはなっていかない。がまんがまん。とにかく、今できることから始めよう。

五木寛之「人間の運命」

2011-12-19 | 想うこと
五木寛之さんのエッセイ好きです。

暗がりにポツンと私がいて、(←哀愁のイメージ)
歩きたいのに歩くことが出来ず、
少し先の行くべき道を見たいのに、
視界が広がらないような不安の中にいる時、(イメージよ、イメージ)
自然と五木さんのエッセイを手に取ってしまいます。

私が求めているんですね。
私が探している言葉を言ってもらうためにこの本を読んだんです。

なんか暗~~い雰囲気を醸し出してしまいましたが、
息子は「おかあさん明るいよね」と昨日も言うんです。
取ってつけたような言葉ですが、みなさんが心配されないために、念のため(~_~;)



親鸞の「歎異抄」からご自身の戦後にいたる壮絶な体験を通して、
人の一生とは?を考えさせられます。
生まれもった宿命や先祖伝承の宿業を背負って人は生きていきます。
本当にそう思います。
父母を見ても、育った環境や時代を振り返っても、
なるべくして私はこのような大人になっています。

人生には思わぬ出来事が降りかかり、
だけど、人々はそれぞれ似つかわしく生きていってるんですね。

でもって、私がなぜ五木さんのエッセイを好むのか…。

「人間の運命」一部分
『蟹工船』が話題になったとき、地獄のような労働の現場の描写に慄然とした読者もいただろう。
しかし、私は酷使される労働者よりも、大量に捕獲され、その場で加工され、母船でカンヅメにされる無数の蟹の悲惨な地獄の存在のほうに慄然とせざるをえなかった。


この五木さんの視点が好きなんです。

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