神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

玉取明神(静岡県藤枝市岡部町玉取)

2011-03-04 23:16:43 | 神社
玉取明神(たまとりみょうじん)。藤枝市岡部町玉取の「神明神社(しんめいじんじゃ)」の通称。祭神:天照大神。
場所:静岡県藤枝市岡部町玉取1520。県道209号線(静岡朝比奈藤枝線)を朝比奈川に沿って北上し、「小園橋」を渡ったところで県道210号線(相俣岡部線)に左折(西へ)、そこから約2km。県道沿いに「朝比奈活性化施設たまゆら」があり、その駐車場の端に「丸石」が祀られている(写真1)。その施設の北側の小高いところに「神明神社」の真新しい社殿が見える(写真3)。
伝説によれば、日本武尊が焼津で宝玉の水石と火石を御神体として市杵島姫命を祀った(これが現在の式内社「焼津神社」である。)。その後、数百年経って焼津に津波があり、水石と火石が朝比奈川を遡って流され、村人に拾われた。このことによって村の名を「玉取村」(旧・志太郡玉取村、現・藤枝市岡部町玉取)と名づけ、「玉伝寺」という寺を建てた(この寺は現存しない。)。後に小祠を建てて鎮守とし、宝玉を納めた。これが現在の「神明神社」であるという(「駿国雑志」などによる。)。水石は水晶、火石は橙を干し固めたようなもの(材質不明)であるというが、後に「焼津神社」に戻されたとされ、少なくとも現在は「神明神社」には現存しないようである。
それにしても、「焼津神社」から「神明神社」までは直線距離で約15kmもあって、いくら何でも、そんなに流されてくることはないだろう。「たまゆら」に祀られている丸石については、実は山梨県には「丸石神」という民間信仰があり、一説には「道祖神」として祀られているともいう。自然にできた丸石は不思議なものだし、丸という形は円満な相をしているから、祀られる意義はあるだろう。あるいは、玉取村を経由して甲斐国と駿河国との結びつきを示すものかもしれない。


藤枝市のHPから(朝比奈活性化施設たまゆら)

三好祐司さんのブログ「風と土の記録」から(路傍の丸石)


写真1:「たまゆら」駐車場の端に祀られた「丸石」


写真2:隣接の広場の隅には、こんな模様の石も。


写真3:「神明神社」社殿


写真4:社殿内部。古い小祠が置かれている。
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