神が宿るところ

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五所駒瀧神社

2024-06-08 23:34:33 | 神社
五所駒瀧神社(ごしょこまがたきじんじゃ)。
場所:茨城県桜川市真壁町山尾499。茨城県道7号線(石岡筑西線)と同41号線(つくば益子線)の「真壁消防署前」交差点から7号線を東に850mで「五社駒瀧神社入口」の案内柱がある。ただし、こちらは裏参道で、入口が狭くて急坂を下りるので、少し怖い。表参道へは、道順が分かりにくいが、「真壁消防署前」交差点から41号線を南に約130mで左折(東へ)、約270mで右折(南へ)、約110mで左折(東へ)、約450mで一の鳥居前に着く。駐車場有り。
社伝等によれば、長和3年(1014年)、「真壁富士権現山」(標高396m)の山中に一条の滝があり、村人らが五穀豊穣を願って滝の近くに祠を立てたのが創祀という。 この滝には馬がたびたび現れたことから「駒ヶ滝」、この祠も「駒瀧明神」と呼ばれるようになった。承安2年(1172年)、初代真壁城主・真壁長幹の一族・桜井太郎良幹が常陸国一宮「鹿島神宮」の祭神・武甕槌大神の分霊を勧請し、真壁城の辰巳の方位(南東)に当たる現在地に社殿を造営、以後、真壁氏の氏神として崇敬されるようになった。江戸時代には、幕府より社領5石を受け、笠間藩主の祈願所として春と秋2度の祭儀を執行したという。明治6年、村内の「天満神社」、「飯綱神社」、「富士神社」、「日吉神社」の4社を合祀し、「五所駒瀧神社」と改称した。現在の祭神は武甕槌大神、大山咋神、猿田彦神、木花開耶姫神、菅原道真公。
なお、国選択無形民俗文化財に指定された「五所駒瀧神社の祭事」、通称「真壁祇園祭」は、真壁町内への神輿渡御、山車巡行などが行われる。厄除けの行事だが、京都「八坂神社」の祇園祭とはルーツの違う祭礼で、独自の伝統を有しているという。また、「かったて祭」という祭礼もある。これは、多くの氏子らが灯した松明を持って神社の背後にある「権現山(真壁富士)」の山頂まで登り、山の神様(「真壁富士権現」)に神火を奉納するというもの。平安時代、平将門が近くの湯袋峠の合戦で勝利したことから始められたとの伝承がある。「かったて」という名も、「合戦に勝った」ということに因むともされている。
蛇足:当神社の創建について、次のような伝説がある。常陸平氏の嫡宗家で常陸大掾、多気城主・多気(大掾)致幹の奥方が、ある夜の夢に老翁と老媼が現れ、「我々は筑波、加波といい、祖父母に当たる。」と告げられ、懐妊の示唆を受けた。その後、めでたく男児が生まれて長寿丸と名付けられ、祝宴が続いたが、七夜目に突然、長寿丸の姿が見えなくなった。家臣一同大騒ぎとなり、八方を探したが見つからなかった。その後、真壁の東の山中に、金襴の衣に包まれた幼児がいるとの噂が立った。魔性の者ではあるまいかと、樵(きこり)たちも近づけないでいたが、多気家の家臣たちが見に行くと、正しく長寿丸で、2頭の鹿が守っていた。近くに仮屋を建て、長寿丸に産湯を使わせた。これが湯袋山(峠)の名の由来である。また、近くに二丈(約6m)もの大きな滝があり、「馬来、馬来」という音がした。まもなく2頭の馬が現れ、仮屋の前に跪いた。このことを聞いた致幹が滝のほとりに宮社を建立し、「駒下瀧の明神」と称した。2頭の馬は朝廷に献上され、その由来を聞いた帝は長寿丸に、筑波山と加波山の間にある真壁郡を領地として賜った。この長寿丸というのが、初代・真壁城主の真壁長幹である。なお、以来、真壁城では鹿の肉を食べないという(言うまでもないが、鹿は「鹿島神宮」の祭神・武甕槌大神の神使である。)。この伝説は、江戸時代の元禄12年(1699年)、真壁充幹(真壁氏第22代当主、佐竹家家臣)によって書き残された「当家万覚書」による(ただし、桜井崇・鈴木常光著「真壁町の祇園祭」の孫引きで、かなり省略した。)。なお、史実では、真壁長幹は多気致幹の子・直幹の四男に当たる。因みに、直幹の妻は房総平氏の千葉介常胤の娘といわれ、長子・義幹が多気氏を継ぎ、他の3子は分家として下妻氏、東條氏、真壁氏となったとされる。


茨城県神社庁のHPから(五所駒瀧神社)

桜川市観光協会のHPから(五所駒瀧神社)

同(かったて祭)


写真1:「五所駒瀧神社」一の鳥居、社号標「祈願所 五所神社」


写真2:「駒啼石」。平たい石の左上のところに丸く浅い窪みがある。これが馬の踏みつけた跡だという。


写真3:二の鳥居


写真4:三の鳥居


写真5:狛犬。とても良い表情。


写真6:社殿


写真7:北側参道にある「景勝地 五所駒瀧神社」石碑


写真8:北側参道の鳥居。傍に川が流れている。

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