シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

初心者のヴァイオリン選び ー販売店(8)

2013年09月22日 | Vn ビギナー事始め
10年6月13日投稿分。

写真は購入したお茶の水S店。 右上は修理フロア。 右下は四畳半ほどの試奏室。
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家に持ち帰ってよくよく見ると、表板の下部分 最も膨らんだ両脇の端と、ペグボックスの板角にほんの少しニスが禿げていた。 購入時によく見なかった私が悪いのだが、担当者に電話すると、持参すれば見て対応するとのこと。 また1週間後くらいにお茶の水へ出向き、場合によってはニスを塗って乾くまで預けることになるかも__

そこで、1週間後の28日 再々お茶の水S店へ出掛けた。 開店前の空き時間に、近くの明治大学建物1階にあるATMで預金を下ろしたが、しゃれた建物で、歩道前はちょっとした広場になっていて、木立があり、その傍に木のベンチがしつらえてある。 座って時間を潰しているのもいい気分だし、ランチでも食べるのにぴったりだ。

お店へ行くと、約束した店員が不在で、打ち合わせ中とか __ で待たせてもらった。 個室で待っていると、別の店員がきて、当の店員が30分ほど遅れるとのことで、その店員に事情を話した。

「先週購入したのですが、何箇所かニスが禿げているので、修復できないでしょうか? それと2箇所ほど小さなへこみがあってね」
「そうですね、職人に見てもらって修復できるかどうか聞いてみます」といって、3階の修理フロアに持っていった。 暫くして持ち帰ってきて、
「殆どの箇所はニスを塗って目立たなくしたんですが、どうしても修復しきれないところもあって。 それと、へこみは修復はできないのですが …」

「まぁこの程度の小さいへこみは仕方ないですね。 買う前によく見れば良かったんですが、でも折角無傷の新品を買ったと思ったので、ちょっとガッカリしてね、あんまり弾いていないんですよ。 何週間か店頭に置いて試奏するときなどに何度も出し入れすると、カドをあちこちぶつけてニスが禿げるんだろうな …」

「どれも入荷してきた時や、職人が調整するときにある程度のキズは付いてしまうのが普通なんです。 同じヴァイオリンで、調整済みのものが何台かありますから、その中からキズの少ないものをお選びいただくということで宜しいでしょうか?」
「そうだね、そうさせてくれますか」

「では、同じものを何台かお持ちしますので少しお待ち下さい」といって、そのヴァイオリンを置いて個室を出ていった。

個室奥のガラス棚に高そうな製作家の名札のついたヴァイオリンが十数台置いてある。 その中に、先頃ニュースに載っていた “ガッダのヴァイオリン” があった __ おっ、出回るのが少ないという例のヴァイオリンか? (トラックバックを参照下さい)
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そのうち、約束した店員が出社してきていう。
「すみません、遅れまして。 今 別の者が何台かご用意していますので、私も手伝って用意してきます」
「はい お願いします」

その店員は火曜日以外は出社しているというので、今日金曜日に来店したのだが、彼女もヴァイオリンを試奏するからには、音大出なんだろう (HPスタッフ紹介蘭にはヴァイオリン科卒とある)。

音大を優秀な成績で卒業しても、全てが独奏者になれるはずもなく、オーケストラも空きがなければ入団できない。 どこかの音楽教室に所属して教えるか、こういった販売店での仕事もあるのだろう。 同じ店にはオケラのコンミス経験者もいるが、オケラの給料安かったのかな __ などと想像しているうちに、何台かを持ってきた。

結局 最初買ったものと、同じグレードのもの2台とで計3台を机に並べてもらった。 目を凝らして見ると、他の2台もやはりほんの少しキズがある。 店員は「この中ではこれが一番キズが少ないと思うんですが …」というので手に取ると、それは最初に買ったものでさっき修理したばかり。 おっとー。

別の1台はF字孔脇に板そのものの特性か板のクセなのか2ミリほどの円形のはっきりした窪みがあった。
「これは大きなキズではないが、弾くときによく見るところだから、気になりそうだね」
「そうですね、目の前ですからね」

もう1台は、F字孔脇のカドと裏板端に小さなキズかゴミが付着していたので、直らないか聞いたら、また職人に見てもらうといって持っていった。 戻ってきて見ると、F字孔脇はニスが塗られ、裏板は小さなへこみだった。

「これはへこみで、へこみは修復はできないのですが … 」
「そうだね__それとニスってこんなに早く乾くんですか?」
「あのぅ … ドライヤーで乾かしたんです」
「ははは そうだろうね。 使っていれば いずれ幾つかキズを付けてしまうものだからなぁ。__ よしっ、じゃあ これに替えてもらえますか?」といって最初のものとは違うヴァイオリンを選んだ。

ついでに、替え弦でクラウンのセット4本と、譜面台を購入した。 譜面台は鉄製とアルミ製があり、それぞれ 800円 と 2000円 ほど。 当然鉄製が重く、アルミ製が軽い。 でも始終持ち歩くことはなく、重い教本を乗せたりするから、重い鉄製のほうが安定していると思って鉄製を購入した。 弦と併せて 4500円 ほどの出費 __ 趣味事はカネがかかる。

個室奥にあったガッダのヴァイオリンのすり替え事件ニュースの話しをすると、その店員は知らなかった。 因に、そのガッダも 600万 だという。

また、明大にあるATMで預金を下ろした話をし、建物前のベンチはランチでも食べるのにぴったりだというと、店員さんも時々座ってランチを食べるそうだ。

最後に、「いやぁ、ここで買って良かったよ。 前に通販で買ったところは、駒の調整を頼んだら対応できなくて、返品扱いになったからね」
「そうですねー そうおっしゃってましたね」
「あっ … いいましたっけ? いただいた名刺の番号を見ながら何度か電話をかけたんですが、名刺の写真を見ると なんか店員さんと違うなぁと思ったんですよ。 実際のほうがずっとキレイじゃないですか」
「うふッ …」

「名刺の写真を撮ったときよりもキレイになったんだね」と更にクスグルと、また嬉しそうにウフフフと “機嫌良くノドを鳴らして” 反応していた。「お客様 お口が上手ですね」などの機転がまだできないお年のようだ。

20代のうちは大抵素直に反応するが、30を越えると “おせじをいう” のも難しくなる __ 以前、会社で30代独身女性からは「ほめても何にも出ませんよ」という冷たい反応もあった。
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家に持ち帰ってよくよく見ると、今度は左の肩辺りの端が 3~4cm ニスはがれが分かった __ またか。 色は全く同じで、手触りがちょっと違うなと気付き、そこを目を凝らして見て、角度を変えて見てやっと分かった。 薄皮がほんの一枚禿げたか光沢がほんの少しないだけだから、これも分かりづらいことこの上ない。

結局、また一週間後に直接3階の修理部門へ持っていった。
「先月購入したものですが、左肩辺りの端がうっすらとニスが剥がれているんですが、修理できますか?」とカウンター越しに修理担当の若い男性に声をかけると、横から例の営業の女性が顔を見せて、挨拶する。 ちょっと気まずい思いがしたが、
「あっ 直接持ってきたんですよ。 またニスはがれがちょっとありましてね …」
「はい、そうなんですか?」

で、修理担当者が見て、 
「アゴあても少し緩んでいますね」といって、まずアゴあてを押さえるネジを少し締め付け、ニスを塗る。 暫くして乾いてから紙ヤスリでこすって短時間で修理は終わった。
「これくらいですと、あまり気にすることはないですよ」
「そうですね、これから使っていけば段々とキズも付いていくんでしょうけどね …」と、自分でいうのも変だが、あんまりちゃんとした応答にはなってなかったな。 アゴあての緩みは全く気付かなかった。

帰り際、2階の営業の女性に声を掛けた。
「終わりました。 有り難うございました。 先週あれから家の垣根の剪定をやったら、腕が疲れちゃいましてね、練習していてもG線の4指に指が回らなくて … いやー ブランクがあるとダメですね」と支離滅裂なことをいった。 (ここで「練習すればうまくなりますよ」という “お愛想” は出なかったが) 彼女にフフっと “愛想笑い” をさせ、軽く頭を下げて、
「じゃ 有り難うございました」といって店を出た。
「有り難うございました」と娘のような営業は答えていたが、内心ちょっとコダワリの多いお客と思ったことだろう。 まぁ もう “ニスはがれ” では行けないな。

以上

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