シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

初心者のヴァイオリン選び ー販売店(6)

2013年09月22日 | Vn ビギナー事始め
10年5月29日投稿分。

写真はチェコ製 Josef Jan Dvorak #220 (左)、#920。

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目黒のヴァイオリン専門店に前日に電話を入れて、10万 以下で2セットを用意して見せてもらおうと話したら、店主の奥さんらしい女性が電話に出た。

「もしもし …」(私)
「あっ お世話になります。 ○○さんですね?」
「違います。 初心者用ヴァイオリンを探しているものなんですが、前にお伺いした時に、予算をいったら、予算内で最高のものを用意しますよということだったので、明日また行って見たいのです。 10万 以下で本体 弓 ケースの2セットを用意してもらって …」
「2セットお買い上げですか?」
「違います。 2セット見させてもらって買うのは1セットです」
「はい、もう購入を決めていらっしゃる?」
「いやぁ 一応見たうえでね」
「はい はい そうですね、見たうえで …」
どうも、この女性は早とちりが多い。 話しを最後迄聞かずに、さえぎって話すからだ。

「それと前に見せていただいた時には、くすんだ色の新作ヴァイオリンもあったんですが、私の好みは明るい色なので、くすんだ色は避けて、お願いしますよ」とも付け加えた。
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それで翌日午前に、目黒の店に出向いた。 肩当てを装着して並べてあったヴァイオリン本体 7.5万 (a)/ 6万 (b)/ 4.5万 (c)/ 4万 (d) は全て中国・上海製でいい音が出た。 違いは分からない。 全てのパーツは木で、プラスチックのパーツはないという。 肩当てまでぴったりとフィットするのもいい気分だ。

しかし弓が 1.7万、角形ケースが 2.5万 で、計 11.7万~8.2万 の範囲にある割には、本体の見栄えが良くなかった__光沢が薄いのだ。 4.5万 (c) と 4万 (d) ものは表板 (c) か裏板 (d) に小さなフシの跡が1~2箇所あり、板材が最良とはいえないシロモノで、これだと弾いているうちに後悔しそうだった。

「10万 以下はね~ 中国製でも東欧製でも、どこ製でもみんな似たようなものですよ」(A) といっていた年配の店主は、4台の違いの説明をしようとしないので、角形ケースは高いんですか?と聞いたら、見せてくれた 5000円 のケースは作りがチャチいので、この上のクラスは?と更に聞くと「 1万円のがあったが倉庫だったかな」といって、2.5万 ものを見せてくれた。 そのうち 1万円 ものを探しに行ったのか、途中で姿を消してしまった。
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その間 1人で20~30分ほど本体をしきりにチェックしていると、店主の奥さんらしい例の女性が「どうぞ 弾いてみて下さい」という。「はい その前によく見ておかないとね」と応えると、「ええ そうですね」といって奥へ引っ込む。 ややあって30歳くらいの若い男性店員が出てきて説明、試奏してくれた。「(最も高価な) 7.5万 のものはいいですよ」と付け加えて__さっきの女性が試奏して応対するようにといったのかも。 張ってある弦は全てドミナントだという。

1本だけ黒い弓で 1.9万 のものは何かと聞くと、カーボン製だという。
「弓は全然分からないね。 この前ある店で 30万 の弓といわれて使ったけど、全く違いが分からなかった。 いい弓だと “吸い付き” がいいんだって?」
「いい弓ですと、よくしなって弾き易いんですよ。 使い易くて疲れないということじゃないでしょうか」__いい説明だ。

10本ほど並べてあった弓の1つに、毛箱の上辺りのさおがほんの少し欠けていたので、「ここ欠けてるね?」と指摘すると、「あっ … そうですね」だけだった。 弓が 1.7万 ポッチのものだから、対応しようがないのかも (値引くかも聞かなかったが)。  渋谷のK楽器店の中年営業マンは、10万円 セットものの本体のキズを指摘すると、すかさず「1万円値引きします」だったのとは姿勢が違う。
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「ドイツ製は本体だけで 10万 を下らないが、回った中では東欧製で 10万 以下のセットが色々ある。 チェコ製のアース・ミュージック ルドルフ・フィードラー ヨーゼフ・ヤン・ドヴォルザークなどがいいかなと考えている。 しかしルーマニア製を薦めるお店 (K楽器渋谷店) では、ドヴォルザークは鳴りが出ないらしいといわれたが …」というと、

「将来 上達した時に、弾き込んでいって、いい音が更に出せる “伸びしろ” が大きいかどうかということだと思いますよ。 いい楽器だと、かなりのレベル迄いい音を引き出せるが、そうでない楽器では早く限界に達するということでしょう」と、明確な答えに納得。

「そうだね。 いい楽器は上達も早いともいうし …」と水を向けると、すかさず、そうですよ!と力をこめていう。
「ヴァイオリンは言葉で表現するのは難しいことが多いので、弾いて聞いて納得するしかないんですよ」
「うん ウン そうだね」

テールピースのアジャスターはE弦だけに付いている。「初心者向けは4つ全てに付いているものが多いようだが …」というと、
「ペグだけの調弦は最初難しいんで付いていると便利ですが、慣れてきたらE弦以外のアジャスターは外した方がいいです、ヴァイオリンに重りを付けているようなものですから。 本体はできるだけ軽くした方がいいんです」__フムフム、これもいい説明だ。
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そして、私がこの間 CD で聞いて気に入った「シャミナード作/クライスラー編 スペインのセレナーデ」では、ハイポジでヴァイオリニストが弾く音が口笛のように聞こえて良かったよというと、

「それはフラジオレットでしょう」と、普通 弦を指板に押さえ付ける左手指を軽く押さえ、弦を指板から浮かして弾いてみせてくれた。 同じようなヒューヒューという音色がした。

「でもクライスラーの曲はとても難しいですよ」ともいう。「そうなんですか。 名ヴァイオリニストの作曲編曲だったから、凝っているんだろうね」__など、30分ほどこちらの話しに付き合ってくれた。 最後に、「ごゆっくりお選び下さい」といって姿を消した。
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で、ここの店主はどうやら せっせと営業に精を出すタイプではないらしく、そのあとにまた “てぶら“ で出てきて、「購入したお客にはウチは徹底的にサポートしますよ」(B) という。 前にも聞いた “いいセリフ” なのだが、AとBの他にアピールするポイントが何なのかよく分からない。「どれもみんな似たようなものですよ」では、超初心者は判断できないではないか。 笑顔も少なく、豊でない表情からは感情が読み取れない。

「 6万 のものがいいようですが、もう一軒見てから決めたい。 どうもご用意いただきまして有り難うございました。 また来るかも知れません」 「はい 何度でもお越し下さい」といわれてそこを後にした。  結局 小一時間ほど検討していた間で、付き合ってくれたのは若い工房技術者らしい男性だけだった。

客が選んでいる間、一貫して同じ営業マンか店員が付き添って相手するのが最善なのだが、この専門店はどちらかというと、ほっておかれた印象がする__用意してあるから、自分で試奏 判断してくれということか? 途中で若い店員が応対してくれたが。 10万 以下のセットものを買う客はあまり重要視してないように見受けられた。

「安物買いの客らしいから、あまり身を入れて相手することもないわよ」との 例の “早とちり女性” の判断だったかも。 でも、将来 “タカモノ買いの客” になるかも__

以上

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