シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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伊に大企業があったのか

2008年11月21日 | 歴史をひも解いて
写真は、イタリアのシチリアにあるアジトで、警察当局に逮捕されたマフィアのボス、ロピッコロ容疑者 (AP)。
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イタリアには大企業がなく、中小規模の企業しかないと思っていたら、あったんですね。 けれど、どうしてイタリアにはこうも大犯罪組織があるのでしょうか。 芸術も料理も 犯 罪 も、イタリアにとって欠かせないものなんでしょうか。
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「伊最大のビジネスはマフィア=年間 15兆円売上」(時事通信 / ジュネーブ 11月12日) _ ※追加1へ
「イタリアの収益 No.1 はマフィア !?」(毎日新聞 / モスクワ 07年11月26日) _※追加2へ

ウィキペディアから__マフィア (Mafia) とはシチリア島に存在する犯罪者による秘密結社の通称。 正式名称はコーサ・ノストラ (※追加3へ)。

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日本の「ヤクザ」、中国の「蛇頭」、アメリカの「ギャング」、ロシアのマフィアなど世界中いたる所にこの手のアングラ組織があります。

世の中の秩序を保つ側があれば、秩序を破る側もあります。 電子の世界でもプラスマイナスがあって ゼロになるように電位が変化し、変化は電流となります。

一方の側だけしか存在しない世界はないでしょう。 一方の側のみしか認めない世界というのは、一見正しいようですが、果たしてそれが長い目でみて正しいといえるかどうかは分かりません__共産主義しか認めなかったソ連という国はどのくらい持続したでしょうか? 今 共産主義だけを掲げて、政治経済がうまくいっている国があるでしょうか?

秩序を破る者がいるから、秩序を保つ者も必要です。 その意味で、マフィアもイタリアにとって「必要悪」なのかも知れません。 けれど、マフィア組織は民主主義ではないはずです。 民主的投票でボスを選出することはなく、非民主的な手段でボスを選出するから、非合法的行動が日常的に行われます。

それを野放しにしていたら、社会全体が大混乱に陥ってしまうのは明らかで、どうしても秩序を保つことが必要となります。 仕事を円滑に進めるために、小額の菓子折りなどは潤滑油として必要なこともありますが、袖の下/ワイロなどともなると額が大きくなり、これは犯罪の領域に入ってきます。

アングラ組織は、文字通り日陰の存在ですから、それが大規模化するのは、やはりどこかおかしい訳で、無視できる「多少」程度、つまり「菓子折り規模」の存在でなくてはなりませんね。

以上


※追加1_ イタリアの流通業界団体は11日、犯罪組織に関する報告書を公表し、マフィアが年間に約 1300億ユーロ (約15兆8600億円) の売上高を上げているとの推計を明らかにした。 手元に残る利益は 700億ユーロ (約8兆5400億円) に上るとみられ、地元メディアは「マフィアがイタリア最大のビジネス」と伝えた。
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※追加2_ ■年15兆円、外圧でボス逮捕 ■
イタリア最大の犯罪組織、シチリアマフィアの最高実力者、サルバトーレ・ロピッコロ容疑者 (65) ら幹部4人が今月初旬、麻薬売買などの疑いで逮捕された。

ロピッコロ容疑者は、マフィア発祥の地といわれるイタリア南部シチリア島を基盤にした秘密犯罪組織「ヌドランゲタ」のボス。 前任の最高実力者ベルナルド・プロベンツァーノ受刑者 (74) が昨年逮捕されてから、他のマフィアのライバル組織との抗争に勝ち抜き、イタリアマフィア約1.7万人のトップの座に上り詰めた「ボス中のボス」。
 
同容疑者は1983年以来、24年間も警察に追われていただけに、マフィアとの癒着をうわさされていた政権側もとうとうマフィア撲滅に本腰を入れ始めたともみえるのだが、実際は、欧州連合 (EU) や米政府の強い圧力に抗し切れなくなったというのが、どうやら本当の理由らしい。
 
イタリアマフィアだけで、欧州全域に出回っている麻薬の 80% を扱っているほか、米ニューヨークのマフィア組織ガンビーノ・ファミリーにも大量の麻薬を卸していたという。 EU などは麻薬取締りのため、イタリアマフィアをたたく必要があったというわけだ。

とはいえ、「マフィア撲滅は極めて難しい」というのがイタリアのメディアの一致した見方だ。
「イタリアマフィアは約200年という長い歴史を持ち、いまではイタリア政治・経済・社会に深く食い込み、巨額な利権を手にしており、その影響力は極めて深刻だ」
 
イタリア在住歴が30年以上に及ぶ日本人研究者はこう語る。
 
ローマに拠点を置く反マフィア団体「SOS インプレサ (企業 SOS)」の調査によると、マフィアの収益は同国の国内総生産 (GDP) の 7% となる年間総額 900億ユーロ (約15兆円) にも達し、マフィアがイタリアのトップ企業となる。 内訳は「高利貸業」で 300億ユーロ (約 5兆円)、「商業上の違法行為」で 130億ユーロ (約 2.1兆円)、「恐喝」100億ユーロ (約 1.6兆円) などだ。
 
また、1日当たり約1,300もの一般企業や商店などが、マフィアによる何らかの被害を受けている。 具体的には全体の 20% の商店が恐喝の被害を受けており、カターニャやパレルモなど南部イタリアではその被害は実に 80% にも上るという。 公共事業などを請け負う企業がマフィアに恐喝された場合、告発することなく結託してしまう事実も明らかになっている。
 
まさに、マフィアが企業や地場の商店のもうけをピンハネしている構図。 マフィアの存在そのものがイタリアの景気低迷の元凶だけに、ボスを1人くらい捕まえただけでは事態は好転しそうもなく、その根は予想以上に深いといえそうだ。
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※追加3_ 19世紀より本拠地シチリアから恐喝や暴力により勢力を拡大、市民生活にまで影響を及ぼす存在となる。 20世紀における最も著名な組織犯罪の固有名詞であるため、他の民族や他の地域の組織的な犯罪、暴力集団もマフィアと呼称される。

起源  1860年、統一イタリア王国にシチリア島が統合されたことが、歴史の変換点となった。 王国とはいっても、集まった人間の中身は右から左までばらばらであり シチリアの住民たちはそれまでの政治的な圧迫の記憶から中央に強い不信感があり、ここから伝統的に中道である大地主と保守的な宗教勢力に勃興する労働運動、さらにファシストによる混迷が生まれマフィアの躍進する素地が出来てくる。

マフィアの語源には諸説あり、定説は無い。 有力なのはアラビア語で採石場を意味するマーハ (mafie)、空威張りを意味するマヒアス (Ma Hias) から来たというものである。 シチリアは、9世紀から11世紀までイスラム教徒のアラビア人が支配しており、支配に反抗した者や犯罪者がしばしば採石場に逃げ込んだという。

元々、マフィアという言葉は肯定的な意味で使用されていた言葉であり、「美しさ、優しさ、優雅さ、完璧さ、そして勇気ある人、大胆な人」という意味で使用されていた。 この意味での言葉が初めて公文書に使われたのは1656年パレルモでの異端尋問においてであり、異端とされた者のリストの中にこの言葉が使用されている。

現在のような秘密結社、犯罪組織を意味する言葉として初めて使われたのは19世紀以降からであり、現代の意味でこの言葉が広く知られるようになったのは、1862年に制作された喜劇「ヴィカーリア刑務所のマフィア構成員たち (I mafiusi de la Vicaria)」がパレルモのサンタンナ劇場で上演され、大ヒットしイタリア各地で巡演されてからである。

また公文書においては1865年、パレルモ知事であったフィリッポ・グァルティエリ伯爵が内務大臣に提出した文書において使用されたのが最初である。 また、マフィアという名前は使用されていないが、マフィアを暗示する組織の存在が公文書に載ったのは1838年、トラパニ市の検事ピエトロ・ウッロワが司法大臣に宛てて書いた報告書が最初であるとされている。

以上

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