シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

桑田次郎のピークは8マン・キングロボか?

2020年08月16日 | コミック界を語る
上左から『8マン・魔女エスパー』の原稿 (ロボットの8マンが汗を垂らす?)、『8マン・怪人ゲーレン』単行本表紙、『キングロボ・黒いゆうれい』から。 下左から 桑田次郎の写真2つ (20代?と80代)、『月光仮面』(70~80年代?週刊誌「プレイコミック」ピンナップ )、『まぼろし城』(月刊紙の付録本表紙)。
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コミック作家の桑田次郎が7月に亡くなっていました。 1935~2020年と享年85歳でしたが、漫画家の中では長寿命の方だったと思います __ 手塚 治虫 (1928~1989 60歳没)、石ノ森 章太郎 (1938~1998 60歳没)、横山 光輝 (1934~2004 69歳没)、赤塚不二夫 (1935~2008 72歳没) … などなど 比較的 短命の作家が多いですから。

漫画家という人たちは、職業柄 机に向かっている時間が長く、運動不足で どうしても不健康になりがちです。 売れっ子になると 何本も連載を抱え、徹夜続きをして無理をする人が多く、スポーツなどで体を鍛えるヒマなどないためでしょう。
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私は小さい頃から桑田コミックのファンで、「月光仮面」(1958~ 川内康範 原作)「まぼろし探偵」(1957~)「まぼろし城」(1960) は少年月刊紙や単行本を買って よく読みました。 大瀬康一主演の TV 実写版「月光仮面」も毎週 友人宅で見ていました。 当時 14インチ白黒 TV は 20万円もし (現在価値で 200万円以上?)、お金持ち以外の一般家庭には普及していませんでした。

「まぼろし城」は忍者・剣士もので、お定まりのドクロのマスク姿の悪役や妖術使いの西洋人が出てきて、その風貌は桑田得意の長髪の悪役顔でした。 時代劇なのに なぜか悪役はマントを羽織っていました __ 桑田はマント姿、マスク姿が好きだったようです。

その後「キングロボ」(1963~64) の少年週刊誌・「8マン」(1963~65 平井和正 原作) の週刊誌やテレビアニメを毎週のように見ていましたが、突然 桑田の拳銃不法所持による逮捕で一時 漫画界から姿を消してしまい、残念に思っていました。
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拳銃を犯罪に使うような悪質な内容でなかったせいか、実刑とはならなかったらしく、1年も経たないうちに 別名で、漫画ものではない少年週刊誌の連載読み物の “挿絵” で復帰しました。 画風から すぐに桑田だと分かりました。

その後 すぐに実名に戻り、平井和正の原作もので「エリート」(1965)・「超犬リープ」(1965) も週刊誌などで読みました。 直後の「黄色い手袋X」(1966 川内康範 原作)・「バットマン」(1966) は成功しなかったと思います。「インテリ五右衛門」(1969) は全編コメディに挑戦しましたが、画風とマッチしていませんでしたね。
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「デスハンター」(1969~70 平井和正 原作) は劇画調で、残酷な場面が多く3枚目キャラも登場せずで、桑田の心境も変わったのかと想像しました。


左から アダルト・コメディ「アンドロイドピニ」からコマと表紙、「カワリ大いに笑う!」、「明日への悪夢」(作画年不詳) はアダルトもの劇画調で他作品とは画風が違う。
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「アンドロイドピニ」(1965)・「カワリ大いに笑う!」(1971~72 牛次郎 原作) は、コメディ・タッチでしたが、「カワリ …」では画風が変化して、4~5頭身の描写になり、8マン時代の大人らしい登場人物ではなくなりました。

「ゴッド・アーム」(1976~77 梶原一騎 原作) では、一時的に8マン時代のような画風に戻りましたが、その後は再び4~5頭身の描写になってしまったようです。


左は 「ミュータント伝」(1970)、五輪の書より「ムサシ」(桑田二郎 1991~94)、「バットマン」(1966~67)、「豹マン」(1968)
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80年前後に書いたと思われる SF もの「失われたムー大陸」「ブラックホールX」などを見ると、脂っ気が抜けて、霞を食べてるような痩せた主人公や女性が登場します。 当時まだ45歳前後ですから、妄想が抜けて仙人になるのも早い年頃ですが、若い頃の描写に比べると 魅力が薄れた印象です。

平井和正 (1938~2015) が原作を提供しなくなったのか 80年代以降は 連載 SF ものを描かなくなり、宗教ものに凝っていったようです。「ムサシ (宮本武蔵)」は剣士ものの部類になりますが、全作を読んでないので成功した作品かどうか分かりません。

或いは コミックの世界では読者はもはや変身やマスク・ヒーローの冒険ものを欲しなくなり、そうしたものを得意としていた桑田には出番が減っていったのかも知れませんね。

__ と桑田作品を思い返しながら 私好みの画風からすると、1963~64年の28~29歳の時に描いた「キングロボ」「8マン」が画力のピークだったのではないかと想像します (私の独断です)。 それら以降は胸板の厚いヒーローではなく、女性っぽいスレンダーな “なよんとした体型” のヒーロー像となり、魅力が減ったように感じます。

コミック作家も元気で精力旺盛な若い頃が旬 (しゅん) なのかも知れません。「豹マン」「江戸群狼伝」など まだまだ読んでない桑田作品がありますから、いずれ読んでみたいものですね。

今日はここまでです。

1 コメント

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Unknown ()
2021-04-24 23:14:00
誠に残念なことにその4ヵ月後には一峰大二先生が亡くなられ
つい最近では久松文雄先生もお亡くなりになられ、あの時代 のヒーロー達は自分の心のなかで永遠に生き続けていくことでしょう
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