シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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役柄に合う俳優を選ぶのがヒットの秘訣

2024年06月21日 | 歴史をひも解いて
中央は加藤剛と竹脇無我。 右は山口 崇の徳川吉宗。
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見た事のなかった1時間ものテレビ番組 (第1話 約50分) が丸ごと YouTube に投稿されていました。 鑑賞してみたら この番組の主役を演じた俳優は、全くこの “役柄にぴったりだなぁ” と感じました。『大岡越前』シリーズの加藤 剛 (かとう ごう) です。

ただし この俳優は表情やセリフの話しぶりで魅せる人で、殺陣 (たて) など立ち回りの激しいアクション向きではないですね。 だからか、斬り合いとか 激しい取っ組み合いなどは少なく、使う側 __ 脚本家・監督などもこうした場面は殆ど採用していません。

加藤 剛を指名したプロデューサーの見立てが当たったのでしょう。 このシリーズ第1話には 竹脇 無我 (たけわき むが) や山口 崇 (やまぐち たかし) など ”大岡越前” を演じてもおかしくないと思われる、"主役級のいい俳優" が脇役・端役で出演しています。 この二人が大岡越前を演じたらと ちょっと想定してみましたが、”大岡越前らしさ” は加藤 剛の方が優っていると推理しました。
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大岡越前 (おおおか えちぜん) は、大岡忠相 (おおおか ただすけ) の通称。 官名の越前守による。 大岡越前 (テレビドラマ) - TBS 系列の『ナショナル劇場』で1970年から1999年に放送された加藤 剛主演の時代劇。
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それを感じたのは、紀州藩主の息子 徳川吉宗をその地の奉行だった大岡が召捕るものの、結局 “藩主の息子を騙る狂人” として放免します。 数年後 吉宗が江戸幕府の第8代将軍となり、大岡は奉行職を解かれ、江戸城への登城を命じられるという設定場面です。

江戸城控えの間の障子の向こうが暗くなったり明るくなったりして一昼夜 待たされるのを暗示しますが、大岡は座ったまま疲れも見せず ヒゲも伸びません (ここは現実感が乏しい)。 その間 吉宗と御側用人 (おそばようにん) など側近との議論の場面がなかったので、「わしを召捕った男だぞ」「対面の場でどう対応する人物か 見極めてからでも」「そこまで骨のある人物なら、重用 (ちょうよう) しては? ひたすら謝罪するだけの並の奉行なら、切腹でも遠島 (えんとお) でも何でも沙汰をお出しになっては?」などの侃侃諤諤 (かんかんがくがく) の議論を付け加えた方が面白くなったと思いますね。

対面の場で カエルのように這いつくばる大岡に、山口 崇が演じる徳川吉宗が「わしを覚えているか?」と尋ねます。 ここで「以前 紀州藩主の息子を騙る上様と瓜二つの人物を召捕りましたが、狂人として放免いたしました。 誰でも法を守らねばなりません」と応え (⁂1)、その意気を汲んだ吉宗は「南町奉行に任ずる」としたのです (⁂2)。

這いつくばりながら テレビカメラに向かって、⁂1を演じるのは難しい役作りだったと想像します。 笑ってもいけない、媚びたり へつらった表情をしてもいけない、かといって 自説を押し通すといった唯我独尊の表情や無表情、どうにでもなれという破れかぶれの投げやりな表情も出来ない。 私が感じたのは、 苦しく思いながらも “法を誰にでも適用するという信念が出ている” 表情でした。

この時 顔が赤らんでいますから、化粧でやや赤くしたのかも知れません (冒頭左のスチル写真のような)。 もっとやるなら 脂汗を出させた方がよりリアルだったかも。 ”誠実そうな人柄が滲み出る” 加藤 剛ですから、役柄にピッタリはまる場面だと思いましたね (なお 上記セリフはうろ覚えですから、多少違うかも)。

ここで すぐに⁂2の場面で山口 崇の真正面の顔だけ(冒頭右) になるのですが、これが飛躍しすぎだとも思いました。 何がしかの感慨を吉宗に語らせ、もう少し 対談があっても良かったのではと感じましたね。 でも これらは全くのフィクションですから、脚本家に任せるしかありません。 シリーズ『大岡越前』が凝縮された場面でした。

名裁定で有名な名奉行としてのイメージがあり、落語の「大岡政談」のような話しは誰でも知っていますから、上記のようなフィクションでも多くの人に受け入れられるのです。

蛇足ですが、YouTube 投稿画像は左右逆転し、さらに横に少し引き伸ばされていますから、少し不自然です。 また 紀州藩主の息子時代の吉宗が密漁する際の衣装が、豪華な衣装そのままだったのが不自然だと感じました (フィクションだから許される?)。
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ヒットした米映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985) の主人公はマイケル・J・フォックスですが、当初はエリック・ストルツという別人だったのです。 ストルツはドクとの掛け合いでの “違和感などの理由” で撮影開始から6週間で降板させられ、最終的にフォックスに落ち着いたそうです。

プロデューサーの見直しが当たったのですね。 フォックスはこの役に見事にハマってました。

今日はここまでです。

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