シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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緊張状態をもたらしたのは “卒業旅行”?

2022年08月08日 | 政治家 政治屋?
左は ペロシ米下院議長と蔡英文総統 (8月4日 Record China 記事から)。 右は 中国人民解放軍 (中国軍) が台湾を包囲する形で「重要軍事演習行動」実施を決めたと報じる3日新聞各紙 (8月4日 Business Insider から)。
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ペロシ訪台は元々 4月に予定されていたものが延期されて、8月に実行されただけで、直前まで大きな話題とはなってなかったように感じています。

なぜ このような (一触即発ともいえる) 大騒ぎに発展してしまったのでしょうか? 私は2つあると感じています。 1つは英紙、もう1つは米大統領発言です。 以下です。
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『ペロシ米下院議長訪台の徹底検証』 (8月5日 現代ビジネス ※1) __ 7月18日に 英紙フィナンシャル・タイムズが、ペロシ氏が8月におけるアシア歴訪の一環として「台湾訪問を予定している」と報じ、25日「中国政府は非公式的にアメリカ政府に対し、ペロシ氏の訪台を阻止するために軍事的対応する考えもあると伝えた」と報じた。

20日 バイデン大統領はペロシ訪台について「軍は良い考えであるとは思っていないようだ」と発言、大統領自身が否定的な見方を持っていることと、アメリカ軍も消極的な態度であることを中国側に教えてしまった。
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こうなると 遥か二、三千年も前から国内の諸国同士で覇権争いし、合従連衡・戦術を練ってきた百戦錬磨の国が中国ですから、米国に付け入る勘所 (かんどころ) を見つけてしまったのだと推理します。

強硬姿勢と軍事恫喝で “ペロシ訪台を阻止” できたら、習近平政権の大手柄になったでしょう。 そして 米バイデン政権は恫喝に弱い、南シナ海だけでなく台湾侵攻も同じ手が使えると ほくそ笑んだ事でしょう。

そうすれば 習近平政権は怖いもの無しとなり、尖閣諸島にも軍事侵攻し、沖縄から米軍を追い出し、韓国駐留米軍すら撤退させるというシナリオまで描いたかも知れません。
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しかし ペロシ氏とバイデン政権は恫喝に屈せず、訪台を実現しました。 一応 不測の衝突を避けるため、直線の最短距離で飛行する南シナ海上空を通らず、フィリピン沖を大きく迂回する飛行ルート (下記左) でペロシ氏を乗せた米軍機は台湾に到着しました。

台湾に到着して 両手で手すりを握りながら慎重にタラップを降りる (下記右) 82歳のペロシ氏自身も秋の中間選挙以降 下院議長を続ける可能性は低いらしく、”個人的なレガシー作り” の思いもあったようです __「11月の中間選挙で民主党の敗北は確実だといわれていて、下院議長の座を退く前に、自らの政治キャリアの総決算として “卒業旅行” に出た形です」(8月3日 テレ朝 news ※2)


左は ペロシ氏を乗せた米軍機の飛行ルート (8月4日 西日本新聞から)。 右は ANN NEWS 映像 (8月2日 台北 https://www.youtube.com/watch?v=oVSZZfo-l7A)。
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タラップを降りる時は滑り易いものです。 昔 当時62歳のフォード米大統領も滑って転んでしまった事を思い出します (1975年)。

私がおやっと思ったのは、「(米) 軍は良い考えであるとは思っていないようだ」(※1) というバイデン大統領の発言です。

これは 内部で意見が分かれているという “内幕を晒すような内容” で、超大国の大統領らしからぬ発言だと思います。 訪台に関して 下院議長と大統領・軍が違う考えを抱いているという “内情が見え見え” じゃありませんか。

これじゃ 百戦錬磨の老獪 (ろうかい) な中国、習近平政権が千載一遇の機会と捉えても不思議ではありません。 逆に見逃すと 政敵から批判されかねないとも思ったでしょう。

“失言癖” があるといわれる現米大統領ですが、頭の中にいろいろな思惑があっても、いうべき事は決まっているはずです。「訪台するかしないかはペロシ下院議長にまかせてある。 私が言及する事案ではない」といえば良かったのではないでしょうか (といっても後の祭りですが)。
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ともあれ 米国側も中国軍の戦闘機と遭遇しないよう、飛行ルートを慎重に選んで台北に向かい、中国側も台湾を包囲する実弾軍事演習は下院議長が去った翌日にからと設定し … とお互い 真っ向からぶつかり合うのは避けました。
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『 中国、台湾上空を通過するミサイルを初めて発射 ペロシ氏訪台に報復』 (8月5日 CNN ※3) __ 中国は4日、台湾上空を通過するミサイルを初めて発射、日本の島しょ付近に5発が落下し、日本は中国政府に抗議を申し入れた。
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中国も本気で軍事衝突しないよう いうだけいって、後は慎重に行動したと想像します。 強硬姿勢・軍事恫喝したからには、何もしないで済ませたら 習近平は国内から弱腰だと批判されかねません。 振り上げた拳骨は振り回すが、相手に当たらないようにしている、そんな “メンツのぶつかり合い” だったと解釈しています。

そうやって偶発的な衝突を避けた、大人のケンカだったのでしょう。 けれど これで米中の互いの後ろ向きの姿勢は終わったとはいえません。 米日豪印の QUAD、インド太平洋経済枠組み (IPEF)、Chip4 … と、様々な形で中国封じ込めを画策する超大国の政策の大きな流れは続くでしょう。

なにやら 戦前の日米の構図 (?) にも似てきましたね。 歴史家はどう評価するのでしょうか。

今日はここまでです。

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