夏目漱石 「草枕」より

夏目漱石　「草枕」より


智に　働けば　角が立つ
情に　棹させば　流される
意地を　通せば　窮屈だ
兎角に　人の世は　住みにくい

住みにくき世から
住みにくき煩いを　引き抜いて
ありがたい世界を　まのあたりに写すのが
詩である　画である　音楽と　彫刻である


明と暗は　表裏の如く
日のあたる所　きっと　影がさす

喜びの深きとき　憂いよいよ　深く
楽みの大いなる程　苦しみも大きい

・・・・・
・・・・・


６０歳代で読むと　
しみじみ　沁みます
・・・・
2011年4月30日
笠原　道夫

「 桜一輪 花びら一枚 」

「　桜一輪　花びら一枚　」

青空を　隠すように　咲き誇り
人々を　圧倒する　桜の群れは
待ち侘びた　春を　謳歌している
　
桜の下で　無理に　騒ぐ人々は
何を　忘れたいのでしょうか
何から　逃れたいのでしょうか

・・・・・

花の一輪が　舞い落ちてくる
その　一輪　一輪は　
淋しげで　悲しげで　弱々しい

白い花びらが　風に舞い散る
その　一枚　一枚は
透けるように　薄く　軽い

その　花の　一輪を　手に取って
その　花びら　一枚を　指で挟んで

人々は　黙り込んでしまう・・・・・


2011年4月16日
笠原　道夫
桜を見て想う

阿修羅さまのお顔

「　阿修羅さまのお顔　」


阿修羅さま　そのお顔は

人間の　愚かさ　無能さへの　
憂慮の　お顔でしょうか

人間の　傲慢さ　無力さへの　
悲痛の　お顔でしょうか

人間の　思い込み　　自信過剰
人間の　甘い見通し　楽観主義

大自然をも　制御できるとの　大きな錯覚
大自然への　畏怖と　感謝の　大きな欠如

どうか　できれば　明日にも

せめて　薄日でも　いいですから　

人間に　光を与えてください

・・・・・


2011年4月16日

東日本大震災に想う

笠原　道夫

東京電力よ・・・毘沙門天の怒り

「　毘沙門天　怒る　！」

東京電力よ　お前は　なぜ
40年前の　コンクリートが
震度７に　耐えられると　思ったのか
ひび割れて　核物質が　漏れているではないか

2002年の　事故隠蔽で　社長が辞めたのは
つい　この前では　なかったのか　

地震発生と　ほぼ同時に　入った
ＩＡＥＡの　支援の申し出を　断った
東京電力の　異常さ　国際感覚の欠如

核物質の　拡散予想図を　海外に見せても
国内には　見せない　信じられない姿勢

東京電力という　こんな企業の　情報に
管も　枝野も　いつまで　振り回されるのか

原発事故も　天災と　言い逃れるつもりか

・・・・・


2011年4月9日
　毘沙門天の　怒りの声が　聴こえる
　　笠原　道夫

弥勒菩薩さま

「　弥勒菩薩さま　」

弥勒菩薩さま　教えてください

大自然は　なぜ　こんなにも
突然で　容赦のない　
無差別で　残酷な
仕打ちを　したのでしょうか　

弥勒菩薩さま　救ってください

慈悲深い心と　永遠の微笑で
逝ってしまった　人々を
残されてしまった　人々を

弥勒菩薩さま　与えてください

暗い底から　立ち上がれる力を
一条の　希望の光を　見る力を
隣人と　手を結べる　愛の力を　
・・・・・

弥勒菩薩さまへ
20011年4月1日
　笠原　道夫