夫婦 ながーーーーい 関係

数年前に作った川柳です
確かどこかへの投稿でした
本音のような　そうでないような
！！！　？？？

　「　夫婦　ながーーーーい関係　」

共通の　話題はニュース　秋の風
橋落ちて　対岸遠く　背中だけ
三十年　歩き続けて　分かれ道

目に浮かぶ　景色はさらに　あせていく
もう一度　帰りたいのに　道はない
それぞれに　あせてしまった　春の色

ときめきの　まぶしい思い　帰らない
このままで　終わる心が　揺れ動く

思い出に　すがるわが身が　苛立たし
思い出に　すがるわが身の　悲しさよ
思い出に　すがりつづけて　消えていく

楽しい日　あったことさえ　不思議だな
あせっても　空しく時が　走り去る
通い会う　日々はかなたに　飛んでいく
抱きしめる　あのときめきは　帰らない
抱擁の　溶け合う心　もう一度

生活が　取ってしまった　夢と愛
生活で　あせてしまった　恋模様
昨日より　今日より明日が　迷い道

物語　言い聞かせるのは　自分だけ
今何章　もう戻れない　物語
終章が　かすかに見える　寂しさよ

あらすじが　見えてしまって　気が重い
こうなれば　どんでん返し　起こそうか
家のため　妻子のためと　ちじこまる

笠原　道夫

「 ビバルディ 四季 」

「　ビバルディ　四季　」

春　
小鳥が歌い　小川が風に囁く

夏　
照りつける太陽　突然の雷鳴

秋　
豊作の踊り　爽やかな空気

冬　
吹く北風が　南風を待っている

黒い　ＬＰレコードが　回る
レコードの上を　滑る　針は
同じ円周を　回っている　ようでも
静かに　一本　一本　溝を進む
途切れることなく　冬に向けて
静かに　静かに　進み続ける　

はじまった　冬の　第一楽章に

どんな　情景が　見えますか
・・・・

2010年2月19日
笠原　道夫

レコード の音

　　レコードの音

黒光る　回転する　ＬＰレコードに　

静かに　レコード針を　下ろす

レコードと　針が　触れる最初の音が

出会いの音のように　スピーカーを鳴らす

外周の溝を　回る　かすかな　ノイズ音は

最初の音を　待つ　イントロの音

レコードの肌に　針という手が　触れ合って

レコードの体温を　感じる音が　鳴り出す

レコード面の　埃が　針に引っ掛かって

小刻みに　忙しく　動いている


ＣＤとも　ＤＶＤとも　違う音

非接触の　電子の音とは　違う音

接触しながら　醸し出す　生の音

針は　レコードの溝から　音を拾う

低音　中音　高音が　溶け合う音

温かな　優しい　穏やかな音が


耳から　体中に　染み込んでくる

回る　レコードを見ていると

目からも　音を　感じる

・・・・・

笠原　道夫