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原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

9月14日(水)のつぶやき

2016-09-15 02:25:33 | つぶやき

『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで> ※51回目の紹介

2016-09-14 22:38:21 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。51回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

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**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第3章 復興が進まないワケ

 リンゴが腐るまで

(前回からの続き)

 コーヒーカップの事例はないが、水が入ったグラスが落ちた事例があれば、その事例の過去の対処法を採択することになる。それでガラスの破片は処理されるが、水の対処法では床のシミは解消されない。地元から「シミをどうにかしてくれ」と再三にわたって要望が上がってきて初めて、シミの対処について検討される。

 だが、時間がたったコーヒーのシミを取り除くのは難しい。専門業者に依頼して高額な料金がかかることになる。その料金の負担をめぐって検討が始まる。国が払うのか、地元負担もあるのか。費用対効果はあるのか、財務省から突き返され、再び”ご説明”申し上げて認められて、ようやく業者に発注される。

 今回の原発災害を取材していて、このようなことが多く見られた。帰還をめぐる問題も、当初は放射線の影響が最大の問題だったが、避難生活が長期化するについて、家庭環境が変化し、嫁姑問題に発展し、複雑化した。営農再開をめぐっても、放射線の問題に農業の高齢化が絡み合い、事態を複雑化させている。

 連立方程式になる前に、迅速に対処するスキームが災害対応には必要だ。

 リンゴが腐るまで待っていたら、この国は滅びてしまう。

あとがき

 約2年間の福島県での取材を終え、久しぶりに戻った東京は、まるで外国のように感じられました。福島では東日本大震災があったあの日からほとんど時計の針が進んでいないというのに、東京ではすでに過去のことのようでした。福島にいたとき、毎日耳にした「放射線」という言葉など聞くことはありません。転勤の挨拶周りで前任地が福島だったことを告げても、関心を持って訪ねる人はごくわずかでした。

 ※「あとがき」は次回に続く

2016/9/15(木)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


9月13日(火)のつぶやき

2016-09-14 02:28:20 | つぶやき

『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで> ※50回目の紹介

2016-09-13 22:29:40 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。50回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

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**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第3章 復興が進まないワケ

 リンゴが腐るまで

(前回からの続き)

 自宅への帰還を待ちわびながら、仮設住宅の畳の上で息を引き取る人。中間貯蔵施設の建設をめぐる一連の動き。原発事故後の福島県での取材で私の目に映った復興の過程は、リンゴが腐るまで待っている政治・行政の姿だった。

 災害対応は時間がたつと、連立方程式になる。

 たとえば、コーヒーカップがテーブルから落ちて割れたとする。発見者がすぐにガラスの破片を拾って床を拭けば、大した問題は起こらない。だが、放置すればどうなるか。ガラスの破片を踏んでけがをする人が出てくる。床にコーヒーが染み付いてとれなくなる。二次被害が起こり、修復費用が余計にかかることになる。

 これを災害対応にたとえれば、国はまず、誰がガラスの破片のそりをするべきか検討する。そこでは、省庁間の押し付け合いが発生する。ようやく所管省庁が決まったら、処理の方法を検討する。検討はまず前例がないか探し、似たような事例があれば、その事例の対処法に則る。

 ※「第3章 復興が進まないワケ「リンゴが腐るまで」」は次回に続く

2016/9/14(水)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


9月12日(月)のつぶやき

2016-09-13 02:22:50 | つぶやき

『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで> ※49回目の紹介

2016-09-12 22:24:50 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。49回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

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**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第3章 復興が進まないワケ

 リンゴが腐るまで

「最後の最後まで、もうこれしか選択がないですねという段階になるまで物事が決まらない。日本の政治って、なんでもそうよね」

 福島に発つ前、会社の先輩記者がこんなことを言っていた。当時、原発事故から2年が経過していたが、東京で見聞きしている範囲では、原発事故の収束作業も復興も進んでいるようには思えなかった。

 なぜ、動きが遅いのか?原因について、先輩記者はそう指摘した。

「たぶん、あなたがこれから福島に行って東京に戻ってくるまでの間も、状況はあんまり変わらないんじゃない?」

放っておくと、こんな酷いことになる。早い段階で気づいてそう声を上げる人がいても、その声は聞こえなかったふりをされる。物事がどんどん悪化していき、声を上げる人が多くなり、最終的にもうこれ以上悪化させたらさすがにどうしようもない事態になる。そうなるまで、政治と行政の腰は上がらない。

 先輩記者は、こんな話も付け加えた。

 夫は福島県の出身で、毎年冬になると義父から福島県サンのリンゴが送られてくるという。原発事故後も変わらず送られてきて、今年も段ボールひとはこのリンゴが自宅に届いたそうだ。ダンボールには「このリンゴは放射性物質検査を受けており安全です」という福島県知事のメッセージが添えられていたが、当時子供がまだ小さく食べるのはためらわれた。だからといって、捨てるのもためらわれる。送られてきたリンゴは結局、段ボールに入れられたまま放置され、3月の終わりに近づき、ようやく1つ2つ、腐り始めたリンゴを処分した。

「結局、私も日本人だから、腐るのを待つのよね」

 ※「第3章 復興が進まないワケ「リンゴが腐るまで」」は次回に続く

2016/9/13(火)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


9月11日(日)のつぶやき

2016-09-12 02:28:07 | つぶやき

9月9日(金)のつぶやき

2016-09-10 02:25:41 | つぶやき

9月8日(木)のつぶやき

2016-09-09 02:27:03 | つぶやき

9月7日(水)のつぶやき

2016-09-08 02:27:40 | つぶやき

『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで ~病める自治体~> ※48回目の紹介

2016-09-07 22:00:00 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。48回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

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**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第3章 復興が進まないワケ

 官庁不在

(前回からの続き)

 実際、原発被災自治体の首長の霞が関詣で、永田町への陳情回数は半端でなく多い。霞が関から福島県内に出向している官僚も、「福島県はいったい何をやっているのか。本来、県がもっと役割をはたして、広域的な取り組みをもっと進めるべきだ。一つの町で提示された課題を、町と県が連携して対応スキームを作り、それを他町に水平的に適用すればよい。でも、それができないから、県は永遠の中間管理職と言われるのだ」と指摘する。

 福島県が広域的な取り組みを積極的に進めない理由は、原発事故後、「余計な仕事を持ち込んでくるな」空気が県庁内にあることも災いしていると、複数の県職員が指摘する。一つには、原発被災自治体と同様、県庁でも県庁でも原発事故後、業務が増え、マンパワーが足りないという事情がある。

だが、それだけでなく、原発事故直後の国とのやり取りなどをめぐって、福島県は原発被災自治体やマスコミから多くの批判を受け、県幹部は及び腰になったという。職員から持ち上がった企画について、「どうしても県が幹部がやらなければならない案件なのか。県でなければできないことなのかという基準でスクリーニングされるようになり、職員のモチベーションも下がった」という。庁内全体に停滞ムードが漂っている。

 ※次回は「第3章 復興が進まないワケ「リンゴが腐るまで」」

2016/9/12(月)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


9月6日(火)のつぶやき

2016-09-07 02:27:52 | つぶやき

『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで ~病める自治体~> ※47回目の紹介

2016-09-06 22:33:06 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。47回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

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**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第3章 復興が進まないワケ

 官庁不在

(前回からの続き)

 だが、復興が進まない原因は自治体側にもある。自治体には法律に精通している職員が少なく、政策立案能力には限界がある。

 たとえば、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会の議論だ。原発被災自治体の担当者は毎回、東京で開かれる審査会の傍聴に訪れていた。だが、議論の内容を理解できていない担当者が少なからずいた。ある町の担当者は、「議論は聞いても難しくてさっぱりわからない。翌日の新聞を読んで、ああ、こんなことを話していたのかと知ることが多い」と言う。配布資料に書かれている内容も理解できておらず、役場に持ち帰って、霞が関から役場に趣向しているキャリア官僚に渡して「通訳してもらう」という。ちなみに、そのキャリア官僚は役場で「スーパースター」と呼ばれていた。

 国からはね返された”ご説明”資料を、再度練り直して作り直す知恵がないのだ。人的余裕、時間的余裕の問題だけでなく、職員の政策立案能力の問題もないとはいえない。

 だが、人口1万人程度の自治体の職員1人1人が、国と渡り合って交渉することができるほどの政策立案能力を持ち合わせることは容易ではない。

 そこで指摘されるのが、広域自治体としての県の存在だ。自治体からは福島県への不満も根強い。不満を通り越し、「県は何もしてくれないから、自分たちでどうにかしなければ」という行動に出ている。

 ※「第3章 復興が進まないワケ「官庁不在」」は次回に続く

2016/9/7(水)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


9月5日(月)のつぶやき

2016-09-06 02:24:15 | つぶやき

『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで ~病める自治体~> ※46回目の紹介

2016-09-05 22:08:18 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。46回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

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**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第3章 復興が進まないワケ

 官庁不在

(前回からの続き)

 別の原発被災自治体の担当者は、「以前は霞が関の本庁と1本でやり取りしていたが、福島復興再生総局ができてから1か所余計に”ご説明”が必要になった。まずは本庁、そして福島復興再生総局に差し戻されて決済となる。決済に時間がかかり『今でしょ』的なことが何もできない。双方から重箱の隅をつつくような質問をされ、自治体では事業が採択されることがミッションになってしまった。横の連携もできていない。

 たとえば、水一つにしても、上水道は厚生労働省、下水道は国土交通省、工業用水は経済産業省、農業省水は農林水産省と、それぞれ所管官庁が異なる。自治体がおのおの所管官庁に”ご説明”しなければならない。被災者にしてみればセットで復旧しなければ意味をなさないのに、それぞれ復旧時期が異なり、省庁間で調整しようという雰囲気も全くない」と言う。

 ある町の担当者は、こう主張する。

「今回の原発災害は、既存の災害対応のスキームでは穴を埋められない。時間との闘いなのだから、本来は既存のスキームを使って柔軟な運用をするべきだが、霞が関は柔軟性がない。福島復興再生総局のように、組織や○○会議とかたくさん作っているが、逆効果だ。やりますイコール組織を新設する、人は配置する、それで対応済みと霞が関は思っているが、それでは決済に余計時間がかかることになる。こういう災害対応は、少数精悦でコンパクトにやった方がよい」

 ※「第3章 復興が進まないワケ「官庁不在」」は次回に続く

2016/9/6(火)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)