原発問題

原発事故によるさまざまな問題、ニュース

『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで ~病める自治体~> ※48回目の紹介

2016-09-07 22:00:00 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。48回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

----------------

**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第3章 復興が進まないワケ

 官庁不在

(前回からの続き)

 実際、原発被災自治体の首長の霞が関詣で、永田町への陳情回数は半端でなく多い。霞が関から福島県内に出向している官僚も、「福島県はいったい何をやっているのか。本来、県がもっと役割をはたして、広域的な取り組みをもっと進めるべきだ。一つの町で提示された課題を、町と県が連携して対応スキームを作り、それを他町に水平的に適用すればよい。でも、それができないから、県は永遠の中間管理職と言われるのだ」と指摘する。

 福島県が広域的な取り組みを積極的に進めない理由は、原発事故後、「余計な仕事を持ち込んでくるな」空気が県庁内にあることも災いしていると、複数の県職員が指摘する。一つには、原発被災自治体と同様、県庁でも県庁でも原発事故後、業務が増え、マンパワーが足りないという事情がある。

だが、それだけでなく、原発事故直後の国とのやり取りなどをめぐって、福島県は原発被災自治体やマスコミから多くの批判を受け、県幹部は及び腰になったという。職員から持ち上がった企画について、「どうしても県が幹部がやらなければならない案件なのか。県でなければできないことなのかという基準でスクリーニングされるようになり、職員のモチベーションも下がった」という。庁内全体に停滞ムードが漂っている。

 ※次回は「第3章 復興が進まないワケ「リンゴが腐るまで」」

2016/9/12(月)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


9月6日(火)のつぶやき

2016-09-07 02:27:52 | つぶやき