原発問題

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『除染が続く福島での悲劇』<リンゴが腐るまで> ※50回目の紹介

2016-09-13 22:29:40 | 【除染が続く福島での悲劇】

*『リンゴが腐るまで著者 笹子美奈子 を複数回に分け紹介します。50回目の紹介

『リンゴが腐るまで』原発30km圏からの報告-記者ノートから-

著者 笹子美奈子

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**『リンゴが腐るまで』著書の紹介

第3章 復興が進まないワケ

 リンゴが腐るまで

(前回からの続き)

 自宅への帰還を待ちわびながら、仮設住宅の畳の上で息を引き取る人。中間貯蔵施設の建設をめぐる一連の動き。原発事故後の福島県での取材で私の目に映った復興の過程は、リンゴが腐るまで待っている政治・行政の姿だった。

 災害対応は時間がたつと、連立方程式になる。

 たとえば、コーヒーカップがテーブルから落ちて割れたとする。発見者がすぐにガラスの破片を拾って床を拭けば、大した問題は起こらない。だが、放置すればどうなるか。ガラスの破片を踏んでけがをする人が出てくる。床にコーヒーが染み付いてとれなくなる。二次被害が起こり、修復費用が余計にかかることになる。

 これを災害対応にたとえれば、国はまず、誰がガラスの破片のそりをするべきか検討する。そこでは、省庁間の押し付け合いが発生する。ようやく所管省庁が決まったら、処理の方法を検討する。検討はまず前例がないか探し、似たような事例があれば、その事例の対処法に則る。

 ※「第3章 復興が進まないワケ「リンゴが腐るまで」」は次回に続く

2016/9/14(水)22:00に投稿予定です。 

リンゴが腐るまで 原発30km圏からの報告‐記者ノートから‐ (角川新書)


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