停止中の東海第二原発 廃炉へ動き活発化
茨城県東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発をめぐり、県内の三市議会が「廃炉」を求める意見書を相次ぎ可決し、二人の首長が「廃炉」を明言するなど、原発に否定的な自治体の動きが広がってきた。福島第一原発事故の影響が県境を越えて広範囲で続く中、東京まで約百十キロと「最も近い商業用原発」をめぐる動きが活発化している。
「東海第二原発で事故が起これば、六十キロ圏内に位置する本市はもちろん、関東全域に予測不能で甚大な被害を及ぼす」
昨年十二月二十日、県南の中核、土浦市の市議会が「再稼働を認めず、廃炉を求める」との意見書を可決した。原発の老朽化や、東日本大震災後の津波で非常用電源の一部が使えなくなった事態を重視した。「原発の安全神話は崩れ、危険性が明らかになった」と指摘する。
北茨城市議会も、十二月に同様の意見書を可決。また原発メーカー日立製作所の「城下町」、日立市の吉成明市長は、昨年末の定例会見で「もし事故が東海村で起こっていたら、こうして座っていられなかった。そう考えると、廃炉にする方向なのだと思う」との見解を初めて示した。
事故から約十カ月。年始年末をにらんでこうした動きが出た背景には、二〇一二年に全国で原発の再稼働をめぐる議論が本格化する点がある。大震災直後から運転を停止していた東海第二原発も、今年八月に定期検査が終了する予定。焦点の再稼働を見据え、地元として意見を十分に述べておきたいようだ。
福島県に隣接する茨城県内では福島第一原発事故後、農作物の出荷停止が相次いだり、「ホットスポット」と呼ばれる放射性物質の高濃度汚染地域が出現。昨年三月から十二月にかけて、県内人口が約一万千人減少しており、橋本昌知事も四日の仕事始め式で「県政に大きく影響している原発事故を何とかしていくのが喫緊の課題だ」と述べた。
こうした中、市や村の枠を超え、広域で対応を考えようとの動きも出てきた。東海第二原発が立地し、村上達也村長が事故直後から「廃炉」を求めた東海村が周辺自治体に呼び掛け、一月中をめどに、再稼働の是非などを話し合う懇談会を設置する。村などによると、参加するのは隣接する日立、ひたちなかなど四市と、原発約二十キロ圏の水戸市の計六自治体。必要に応じ、事業者の原電や国に説明を求める方針だ。
(東京新聞 2012年1月5日)