新JOOKOのふぉとエッセイ

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曹源寺開創400年記念 江野楳雪展へ

2019-10-27 | 勢山社特派員だより

東松山の曹源寺さんから「曹源寺開創四百年記念・江野楳雪展」のご案内をいただきました。

大仏師の渡邊勢山さんとのご縁で時々寺社にお伺いすることがありますが、特に親しく行き来をさせていただいているお寺さんの一つが曹源寺さんです。

江野楳雪展期間は秋のお彼岸中で、400年近い歴史を持つ曹源寺の寺宝が一堂に公開されるとのこと。
メインは江野楳雪が描く十界図(地獄絵図)で、勢山さんが近年制作された閻魔大王像や懸衣翁(けんえおう=地獄の三途の川の畔に奪衣婆と共に立つ)の原型展示もあるそうです。

9月21日午後には学芸員さんによる楳雪作品の解説が行われるとのことなので、勢山さんたちとご一緒させていただくことにしました。

曹源寺さんの書院には多くの作品が展示され、天井には八王子観栖寺さんの天井絵(本物は火事で焼失)が再現されていて、すでに大勢の人が集まり展示作品の鑑賞をしていました。

はじめに曹源寺のご住職からご挨拶があり、江野楳雪と曹源寺との関わりについても説明がありました。
それによると、江野家が代々檀家総代を務めていた関係で、多数の楳雪作品が曹源寺に残されているそうです。
 

いよいよ学芸員さんの解説が始まりました。
幕末に活躍した楳雪作品の特徴や楳雪がいかに優れた絵師であるか、また十界図(地獄絵図)や涅槃図などについての解説が行われ、参加者の方々はいつしか学芸員さんの話に引き込まれてしまったようです。


学芸員さんの話でいっそう興味がわいたのか、解説後には作品の前で話が弾んだり楳雪作品に熱心に見入ったりなどのほのぼのした光景が印象的。
地獄絵図前に展示された閻魔大王像の前には、勢山さんを囲む輪ができていました。


ところで、曹源寺さんでは毎年5月第2日曜日に花まつりが行われています。
花まつりでは勢山さんが彫像した弥勒菩薩像が位牌堂から本堂へ運ばれ、法要のあとアトラクションなどを楽しむなど地域の方々の交流の場となっています。

私が初めて花まつりに伺ったのは平成17年のこと。
勢山さんから「花まつりの様子を取材して欲しい」と依頼されたからでした。

東松山駅で降りるのも初めてで、もちろん曹源寺さんに伺うのも初めてでしたので地図を見ながらドキドキの連続。
遠くから聞こえる太鼓の音に導かれながらようやくたどり着き、境内やお堂での様子を夢中で撮影したことを今でもはっきり覚えています。

その後も何度かお伺いしましたが、花まつりはいつも和気あいあいとした雰囲気。
今年で33回目を迎えたそうで、曹源寺の檀家さんだけでなく地域にとっても大切な行事として根差していると実感してしまいます。

これからも、寺宝や季節の行事、ご住職のお人柄がかもし出す曹源寺さんの気風が末永く引き継がれることを願っています。


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