新JOOKOのふぉとエッセイ

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おさめの観音まつりin永澤寺

2008-12-26 | 勢山社特派員だより
毎月18日は観音さまのご縁日。
兵庫県三田市の永澤寺では、12月18日に一年最後の観音さまの縁日「おさめの観音まつり」が行われています。

いつか訪ねてみたいとの願いが叶ったこの日、久しぶりにお目にかかった観音さまは変らぬ美しさでした。

身の丈が9メートル近くもあるこの観音さまに初めてお会いしたのは永澤寺における、第5回勢山社仏像彫刻展でのこと。平成14年の5月連休、初めて永澤寺さんにお伺いしてから、6年半が経ってしまったとはとても思えません。

美しい彩色と截金が施された永澤寺の大観音像は、平成6年に仏師の渡邊勢山さんによって、地蔵菩薩像や僧形文殊像と共に造顕されました。その後の平成14年に、山門の仁王尊像や内心仏像が、平成15年には金箔が貼られたおさすり布袋尊像も造顕奉安されています。
    

永澤寺は、摂津と丹波の境の山あいに位置する曹洞宗の古刹で花の寺としても有名です。
のどかな里山に囲まれた景色は昔懐かしく、心休まる想いがしました。
    

同寺のHPによると、1月の冬牡丹に始まり、水仙・梅・桜・芝桜・花菖蒲や紫陽花などたくさんの花々が咲き誇るとのこと。特に、6月上旬から7月上旬に咲く花菖蒲は、650種300万本にも及び菖蒲園の広さはなんと一万坪。その時期は特別に精進料理がいただけるそうなので、もう少し近ければ季節ごとに訪ねたいのに・・・とも思ってしまいます。

おさめの観音まつりは、まず布袋さんの法要からはじまりました。
光り輝くお姿の布袋さんは、すでに下地の赤漆が現れる程になっており、多くの方に親しまれている様子を伺い知ることができました。
集まった人々は、にこやかに布袋さんをさすり、手を合わせています。私も、いつまでも元気でいられますようにと、欲張って頭と顔?と膝などをさすらせていただきました。
    

続いて行われた桂三若さんの観音落語では始終笑い声が。笑いで今年最後の縁日を過ごせば、来年も福がやってくるに違いありません。

12時からは観音さまの前で祈願法要が行われました。読経に続き、参列者と共に全国から届いた祈願者名を読み上げるご住職の声が堂内に響き渡ります。その後、暑さ10センチほどの大きな教本で、一人ひとりの肩にお祓いをしていただきましたが、想像以上のずしりとした重みに、私も身が引き締まる思いでした。

一年の感謝と新しい年への祈りを捧げる参列者に、観音さまが優しい視線をなげかけています。
「この寺に必要な、ふさわしい仏様を勢山さんと相談してお迎えしました」とご住職。
「観音さんが、頼りがいのある母親のような存在となるよう心がけました」と勢山さん。それぞれの挨拶に、参列者は熱心に耳を傾けていました。
    

法要後の昼食接待でも皆さんことのほか楽しそう。ほのかにそばの香りがするそば粥と、ふっくらと炊かれた黒豆や大根炊きなどに舌鼓をうっています。
あまりにも美味しそうなので、食事風景の写真を撮らせていただいていた私もご馳走になってしまいました。前日から煮込まれていた大根などは口の中でとろけ、とても美味しくて幸せいっぱいです。

帰り際「また来年お会いしましょう」と声をかけられ、縁日に初めて参加をした私はすっかり皆さんの仲間入りをさせていただいた気分に。私にとっても、嬉しい一年の締めくくりとなりました。これも観音さまのおかげと感謝です。

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