新JOOKOのふぉとエッセイ

     東海道53次探検ウォークや、四季折々の出来事
     そして仏像造顕所勢山社関連など、写真もお楽しみに♪

いよいよ年末に

2015-12-29 | 勢山社特派員だより

今年もあと2日になってしまった。

大掃除は最初からあきらめて簡単掃除を済ませ、年賀状も書き終わったので今年は優秀!?と自分に甘い評価をして年末を迎えている。

実はこのブログ、2006年の夏から始めたので来年で早や10年。
内容は特に大切な情報発信というわけでもなく、心に残る風景や感じたことを自分が忘れないように書きとめていることが多い。
せめて写真を楽しんでもらえればと思っているが、長く続けてこられたのは訪れて下さる方々のおかげと感謝だ。

平凡な日々を過ごしている中で、仏師の渡邊勢山さんが主宰する仏像造顕所勢山社の特派員としての活動はいつも緊張が伴うので、唯一非日常的な時間かもしれない。

私の主な役割は納入などの記録写真を撮ることだが、法要や儀式などがあると緊張がピークに達してしまう。

そんな時が過ぎた後に出会える景色は、特に印象的でやはり忘れられない。
帰路途中の能登での光景もその一つだ。

1年間をかけて、勢山社で修復が行われた傅大士像が能登の曹洞宗総持寺祖院に戻られたのは、今年9月の事だった。

到着を待ちかねたように修行僧の方々がお堂(経蔵)への運び込みを手伝ってくださり、奉安後に法要が営まれた。
傅大士像は修行の象徴とのこと。だからだろうか、僧侶たちの真剣な表情が印象的だった。




平成19年の能登大震災でも、びくともしなかった経蔵に帰られた傅大士様は、これからも修行僧と訪れる人々を見守り続けてくれることだろう。


6月の初めには、芝桜で有名な秩父・羊山公園近くの曹洞宗東林寺に、勢山さん彫造の「閻魔大王像」が納められた。
鎮座された場所は本堂の入口だから、訪れた方は閻魔さんの前を通ることになる。

お顔は怖いというより慈愛に満ちていて、「地獄に落とすよ」というのではなく地獄に落ちないために諭して頂けそうな表情。閻魔大王は地蔵菩薩の化身というから納得だ。
奉安作業を見守るご住職様と奥様は満足げな様子で、シャッターを切る私も嬉しかった。


「嘘をつくと閻魔さんに舌を抜かれるよ!」
そういえば私の子ども時代は、大人からのこの言葉で、悪いことをすると地獄に落ちるんだと震えあがったものだが、今の子どもたちはどうなのだろう?

それぞれの場所で大切にされてきたお像が、さらに活躍ができるように・・・
そして、新しく誕生したお像には、この地で頑張って!と祈り、また来るからねとその場を後にするのはいつものこと。

来年はどんな場面が待っているのだろうか。
勢山社の特別な日の全てに参加できるわけではないが、勢山社特派員として出来る限り同行させてもらいたい。

そして、もちろん素晴らしい景色にもたくさん出会いたい。


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