新JOOKOのふぉとエッセイ

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書寫山圓教寺の乙天若天像入魂式に参列して

2020-09-30 | 勢山社特派員だより

姫路市の書寫山圓教寺(しょしゃざんえんぎょうじ)で、特別公開されていた護法堂の新御本尊、乙天(おとてん)若天(わかてん)両護法童子像の入魂式が、9月10日に執り行われました。

圓教寺を開山された性空上人は、常に「乙丸・若丸」の童子に守られていたと伝えられています。
いつの頃からか「乙丸」は乙天と呼ばれ不動明王に、「若丸」は若天と呼ばれ毘沙門天の化身とされてきました。
上人が亡くなられた後は、書寫山の鎮守となり現在に至っています。

両尊像は、性空上人の墓所でもある奥之院開山堂脇の護法堂にお祀りされ、秘仏中の秘仏となっていますが、今回大佛師の渡邊勢山さんによって千年ぶりに両尊像の姿が顕され、旧像とバトンタッチされる事になりました。

乙天若天両護法童子像は、圓教寺の籠山行を終えた行者さんだけが、行終了挨拶をする際に一生に一度だけ拝せるお像ですので、今回の特別公開は千年以上の歴史を持つ圓教寺でも初のことだそうです。

護法堂に遷座された後は、もう御像のお姿を目にすることはできません。
その節目となる入魂式はどのように行われるのだろうと、私は久しぶりにドキドキ感を味わっていました。

限られた関係者と僧侶たちにより、護法堂と向かい合って建つ護法堂拝殿で入魂の儀式が行われました。
開山堂で遠巻きに見守る一般参列者にも焼香台が回され、乙天若天の両護法神像との貴重なご縁を結ばれていました。
 


曇り空が青空に変わった頃儀式が終了し、新たな両尊像は参列者の待つ中庭方面に向けられました。
撮影タイムが設けられ、厳かさからアットホームな雰囲気に。
その後両尊像は遷座され、歓談されている関係者の方々の姿にも喜びがあふれていました。


 

護法童子(乙天若天)は、毎年1月18日に摩尼殿で行われる修正会(鬼追い会式)にも登場します。
赤鬼青鬼の姿で松明を振りかざして足を踏み鳴らし、大地を浄め五穀豊穣を願う舞踏祈願は、播磨の春を呼ぶ重要な(祀り)儀式にもなっています。
https://happy.ap.teacup.com/jooko/165.html

この護法童子の舞踏祈願は代々書寫山東坂の梅津家がその役目を果たしており、梅津家は性空上人がこの地に来られて以来、千年を超えて上人と圓教寺のお世話をしているとの事です。
そう、乙丸・若丸の子孫なのです。 伝承が事実としてここにあるのが驚きです。

当然梅津家の方々も儀式に参列されていて、思いがけず当代護法童子を担っている方に握手をしていただき、私は大感激でした。

未来を担う新たな尊像が無事遷座された護法堂(乙天社・若天社)の、二重の扉が次に開けられるのは、いつになるのでしょう。

令和の時代が始まり、コロナ禍の中誕生した新たな両尊像は、千年後に再度のバトンタッチがあるのでしょうか。
どのような世の中になっているのか・・・。
無理とわかっていても覗いてみたい気がします。

長い歴史を持つ書寫山の境内は、まるで打ち水をしたかのように清々しく、生命力があふれていました。


受け継ぎ護っていくことの大切さを実感した充実の一日でした。


2 コメント

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Unknown (プリン)
2020-10-01 09:03:08
今日は。
姫路市の書寫山圓教寺で貴重な体験をされたんですね。
次は千年後との事、凄いですね。

色々あってなかなかお会い出来ませんが、又お話を聞かせて貰えるのを楽しみにしています。
お互いに体に気をつけて頑張りましょう。
Unknown (jooko)
2020-10-02 19:25:39
プリンさん、いつもありがとうございます。
久しぶりに書寫山へ行き、元気をもらって来ました。

私もお会いして色々お話ししたいです。
また、よろしくお願いしますね。

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