新JOOKOのふぉとエッセイ

     東海道53次探検ウォークや、四季折々の出来事
     そして仏像造顕所勢山社関連など、写真もお楽しみに♪

四天王像と飛天図お納め同行記

2017-07-29 | 勢山社特派員だより

6月下旬、勢山社関連で二ヵ寺に同行させていただきました。

まず、勢山さんの故郷である藤沢市の善然寺さんへ四天王像のお納めです。
以前勢山社舞子工房へ伺った時に、彫刻場面や彩色・截金(キリガネ)作業を見せてもらっていたので、私も完成がととても楽しみでした。

四方の守護神としての役割をもつ四天王像は、東方守護の持国天像・南方守護の増長天像・西方守護の広目天像・北方守護の多聞天像です。
どれぞれ木曾檜の木地が生かされた落ち着きのある色合いで、威厳ある風貌でした。

この日を待ちかねていたのでしょう。
善然寺御住職ご夫妻は、勢山さんがそれぞれのお像を配置し持物を取り付ける様子を熱心に見守っていました。


お納めの翌日はいよいよお披露目会です。
紫陽花が見ごろの梅雨時期でしたが天気に恵まれ、お堂の中は大勢の人で満席状態。
御住職ご挨拶のあと、勢山さんから善然寺四天王像についてのお話がありました。

四天王像は、通常お寺の須弥壇の四隅に置かれることが多いそうですが、善然寺の四天王像は堂内の丸柱上部に雲に乗り飛んでいるかのように取り付けるそうです。
これは、寺院や仏教世界の四方を守るという本来の目的に加え、多くの人々も守って欲しいという願いが込められていているとのことでした。 


百名以上の方々が、それぞれの思いを込めて四天王像造顕のために寄進されたとの事で、全員のお名前が小さな巻物に記されていました。
巻物は完成した四天王像の胎内にお納めされるそうです。
ご縁をいただいた四天王像に関する話を、熱心に聞く来場者の方々の姿が印象的でした。

勢山さんのお話のあとは撮影タイムも設けられ、それぞれのお像たちの周りには人だかりが。
その様子を撮るのは中々大変でしたが、喜びに溢れた日にご一緒でき嬉しい2日間となりました。



そして、岡山妙勝寺さんへ飛天図のお納めです。
2月に伺った時は柱がむき出しだった客殿はもう完成間近で、玄関ロビー吹き抜けの真っ白な壁が飛天図をお待ちでした。

梱包が外され額縁に入れられた飛天図が姿を現わしました。
蓮の花を手にした天女が羽衣をたなびかせた姿に、満足そうな表情の御住職です。
明るい色彩の衣には截金(キリガネ)で文様が施されていて、あまりの美しさに私も夢中になってしまいました。


飛天図裏面に御住職が発願の記録を記した後、取り付け位置や方法などについて大工さんと打ち合わせです。

大きな飛天図を高い位置へ取り付けるので心配でしたが、しっかりとした足場が組まれていて一安心。
傷をつけないよう指示が出され、足場にも手早く養生が施されます。
流れるように準備を進める大工さん達の姿に感謝と感動です。

打ち合わせどおり足場の段階毎に手送りで飛天画を持ち上げ、金具のある所定の位置に無事到着して取り付けが完了しました。


緊張感がほぐれて安堵の空気が漂いましたが、まだ壁に蓮の花びらをつけなければなりません。
額の中の天女の手からこぼれた花びらが、額の外にまで飛び出すことで立体的になっていて、まるで絵の世界から現実の世界に誘うかのようです。

玄関を入り、まず蓮の花びらが目に入り、見上げると飛天がお出迎え!
妙勝寺さんを訪れる方の驚きの表情が目に浮かびました。
“軽やかに舞う天女”は、訪れる方々の人気者になることでしょう。


客殿内に安座される、釈迦如来像と四菩薩像のお納めは10月末とのこと。
完成を待つ閻魔大王像などで勢山社舞子工房は大賑わい。
まだまだ忙しい日々が続きそうです。


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