新JOOKOのふぉとエッセイ

     東海道53次探検ウォークや、四季折々の出来事
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信隆寺のお会式

2008-10-07 | 勢山社特派員だより
「夜はもっと賑やかですよ、年に一度、皆この日にかけていますから」とご住職。
茅ヶ崎の信隆寺(日蓮宗)では、毎年10月1日に「日蓮上人お会式大法要」が行われています。

信隆寺のご本尊釈迦如来像と脇侍の四菩薩像は、渡邊勢山さんが造顕し平成10年に奉安されました。「良かったら、お会式にもどうぞ」と、以前勢山さんと伺った時に声をかけていただいたのを思い出し立ち寄ってみることに。

3時を過ぎていたので、法要はすでに終わっていて檀家の皆さんは出店などの準備中。もっと早く来られたら・・・と後悔です。
    

しばらくして、本堂の前でカラオケが始まり、焼き鳥が良い匂いを漂わせはじめると、もうお祭り気分。金魚すくいやヨーヨーすくいもあるので、子どもたちが喜びそうと思いながら、自分の子どもの頃を思い出し懐かしさでいっぱいでした。

自慢の喉を披露する人も、それに聞き入る人も皆居心地が良さそうです。私もお抹茶とお饅頭をご馳走していただき、恐縮しながらも寛ぎのひと時を。
太陽が西に傾き境内を照らしはじめ、さらに暖かな雰囲気になりました。
    

家に戻り夕食の支度をしなければ・・・後ろ髪を引かれながらの帰宅途中、ご住職の言葉を思い出して夜再び出直す事に。

8時過ぎに国道沿いのバス停から信隆寺に向かうと、かすかに太鼓の音が聞こえて来ました。境内ではすでに万灯の奉納が始まっていて大賑わいです。
打つ鳴らされるうちわ太鼓のリズムにのり、まといが大きくふられます。しばらくしてお神輿が担ぎ出され、掛け声も加わりあたりは高揚した気分に包まれました。
    

「皆この日にかけています」との、昼間のご住職の言葉どおりの光景に胸がいっぱいになりました。

年に一度、普段顔を合わせることが少ないであろう年齢層の人々が、一つの目的に向かい時間を共有することは何にも変えがたいと、いま忘れ去られがちな大切なことを思い出させてくれたお会式。この日の皆さんも、色々な場面でお会式に参加することの喜びを実感していたにちがいありません。私には故郷と呼べる場所がないので、こういうつながりが無性に羨まし思えてたまりませんでした。
    

大人に混じって数人の小学生ぐらいの子がふるまといを、じっと見つめる3歳ぐらいの男の子に、「お兄ちゃんたちかっこいいよね。大きくなったらやりたい?」と声をかけたら、恥ずかしかったのか無言・・・。
でも、きっとこの子たちが次の世代を担ってくれると思え、何だか宝物をおすそ分けしてもらえたような気分になりました。

日蓮さんとご本尊様も、この一日を楽しまれ、そして安堵されたことでしょう。
お会式が終わり急に人気が少なくなった境内で、ご本尊様にご挨拶をしてから帰路に。久しぶりに瞬く星を見上げて清々しい気持が倍増でした。

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