付け焼き刃の覚え書き

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「かくて謀反の冬は去り」 古河絶水

2023-08-23 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 奇智彦尊(クシヒコノミコト)は王弟である。だが、生まれつきからだが不自由で、足曲がりと揶揄されている。
 そんな奇智彦が兄王から近衛隊長官に任命され指揮杖を授かった、その宴の席で披露されたのは大陸の皇帝から大王への贈り物。若く美しい女奴隷……とはいうものの、熊の毛皮を被った大女だ。ゲルマニアの大反乱で古の神を名乗って反乱軍を指揮し、三州七市を支配して2年間戦い続けた末に捕獲された、凶悪犯にして猛獣。処刑してしまえば逆に民族英雄として死してなお祭りあげられてしまうため、東の果ての王国に贈り物として放逐されることになったわけだ。
 その熊女はあっという間に王族間でたらい回しとなり、不本意ながら奇智彦が引き取り、荒良女と名付ける羽目に陥った。
 それから3週間。王が、死んだ……。

 突然の王の死に、継承権を持つ面々が疑心暗鬼になりながらも権謀術数を巡らす、王位を巡る争いを正面から描いた陰謀譚。表紙イラストで大きく存在感をアピールしている熊女シニストラこと荒良女さん、主役じゃないけどヒロインとはちょっと違い、脇役かといえば話の流れに大きく関わる重要キャラ。巨女ものです。
 大王だの尊だのから始まるので古代史ものかと思いきや、航空機ありラジオありなのでテクノロジーは20世紀レベル。和風な異世界かと思えば、ギリシャだ、アフリカだ、インドだときまして、その東の果ての国なので、どこかで歴史が変わった地球の話のようです。読みかけで置いておいたら妻が読み出して、面白いけど中身が濃くて読み飛ばせない!と悲鳴を上げながら読んでました。

【かくて謀反の冬は去り】【古河絶水】【ごもさわ】【ガガガ文庫】【血煙まとうスペクタクル宮廷陰謀劇】【大陸派遣軍】
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