★スピーチに使えるかもしれない語録「男と女(5)」

★婚約者
「わたしは、あなたの婚約者です。今も、これからも、その先も、あなたと結婚するまでずっと。夫となる人が民から石を投げつけられるならば、共に石で打たれましょう。民の盾となるのがダルクバルトの名を持つ者の務めならば、その背中はわたしがお護り致しましょう」
　自分が非道な行いをしてきたこと、領地に魔物の氾濫が迫る日も近いことを告白したボルマンへのエステルの答え。

『ロープレ世界は無理ゲーでした』 二八乃端月

★結婚
「今後、日々を一緒に過ごせなくても、進む道が違うのであっても、それでも俺の横に立って、さ。この先を、俺と生きてくれるか？」
　かくして魔王ユキと勇者ネルは夫婦となる。

『魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのする』 流優

　
「すべての答えは愛のはじまりにあるのよ」
　結婚というのは当人同士はもちろんのこと、周囲の家族親族まで絡んでくるから、なかなか簡単にはいかないよねえという話。ここで躓くと、結婚生活がいきなり前途多難です。

『理想の結婚式は甘くない』 美月りん

「結婚はいいぞ！　人生最大の船出だ！　しょっちゅう嵐が来るけどな！」
　鉱山から大量の骸骨兵が湧きだした。エレオラ皇女に追放された元老たちが最後に遺した意趣返し、魔法具の『杯』によるアンデッドの侵攻だった。無数の骸骨兵が全ての都市へ襲いかかる。

『人狼への転生、魔王の副官』

「私たちは夫婦だから、お互いがお互いの居場所になるの。もちろん、和斗のいる場所が、私の帰る場所になるの」
　同級生兼人気アイドルの水樹凛香がネトゲの嫁であると判明。ゲームでもリアルでも嫁の立場を貫きたい凛香は「そもそも、別居してる今の状況がおかしいのよ」と、ついに和斗の自宅にまで押しかけた。

『ネトゲの嫁が人気アイドルだった』 あボーン

「結婚と恋愛は違う。結婚を見据えるならば、恋を実らせることが重要なのではない。その先に生活していけるかどうかが重要なのだ」
　異世界転生ファンタジーは多けれど、この作品ほど「魔法を使える人間が存在する社会」をきちんと描いたものはなかなかないんですよね。貴族も平民も同じ人間！……みたいな暢気なラブ＆ピースの世界が多いわけですが、この話は脳天気な内政チートファンタジーのようでいて、この魔力を持つ人、持たない人、魔力が社会に与える意味、貴族と平民による身分の差とか役割の違いをはっきり前提として描いているからこそ、その乗り越えられない階層の深い谷を問答無用で突破しようとするローゼマインの無軌道ぶりが印象的になります。

『本好きの下剋上』 香月美夜