「日本へようこそエルフさん。１」 青乃下

　北瀬一廣の趣味はとにかく寝ること。サラリーマンとしてのつきあいも一切無視して、仕事が終わればさっさと帰宅して寝る。寝るだけ。
　しかし、彼には秘密があった。幼少のころからいつも不思議な夢を見ていて、その世界で彼は冒険者カズヒホとして胸躍る冒険を続けていたのだ。眠るだけでＲＰＧがコンティニューするのである。
　しかし、ある夜、夢の中で仲良くなったエルフの少女と冒険をしていたカズヒホは、運悪く遭遇したドラゴンのブレスで焼かれて死んで目が覚めた。ところが、夢から覚めた一廣は、いる筈のないエルフの少女も自分の隣に寝ているのに気がついた……。

　眠ることで異世界と行き来できる主人公が、ものの弾みで異世界からエルフさんを連れてきてしまう、異世界人の現代日本紀行。そのうち、向こうに戻って２人で行き来するようになります。
　「小説家になろう」連載の小説が書籍化され、それを原作にしたコミック版です。元の話も面白いですが、それを巧くコミカライズしています。絵も巧くて丁寧だし、テンポも良いし、まとめ方も巧いので、怒ったり笑ったり、きりりとしたりほんにゃら崩れたりするエルフさんを堪能できる１冊。

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