付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「色褪せた太陽」 C・J・チェリイ

2009-10-31 | 宇宙・スペースオペラ
 『ケスリス』『ションジル』『クタス』の「色褪せた太陽」3部作で、購入したのは大学時代。分厚いなあ、重いなあ、戦後処理から始まるなんて少し地味な話でないかい?などと思いつつ、いったん読み始めたら一気呵成にノンストップ。気がついたら夜が明けていて、ちゅんちゅん鳴くスズメの声を聞きながら隣の喫茶店にモーニングを食べに行ったのは良い思い出。体力的にも気力でも、今ではとてもできないことです。

 銀河宇宙に進出した人類は老獪な商人である星間種族レグル族と遭遇。全く異なる思考体系をもつ2つの種族は全面戦争に突入した。科学兵器を使いこなし集団戦に長けた人類に対し、レグル族は戦闘種族であるムリ族を傭兵として投入し、激しい戦闘は40年以上におよんだ。
 そして、人類=レグル戦争はかろうじて人類の勝利に終わり、全権公使スタブロスは随員としてSTダンカンを伴い、レグル族から譲渡されることとなった惑星ケスリスに向かったが……。

「旅立ちそのものがわたしたちの使用料なのです。わたしたちを賢明にお使いなさい、人間のセン。わたしたちはあなたがたのために<闇>を切り開く鋭い剣だからです」
 手にした剣は投げねばならない。ムリ族を使うためにはゲームをしなければならないのだ。

 終戦から始まる人類、レグル族、ムリ族による三つどもえの攻防の顛末で、「ハードSFだなあ」というのが読み終えた最初の感想。別に宇宙航法や惑星や異種族について凄く詳細な設定があったわけではありません。なんというか、物理化学や数学ではなく「文化人類学」的にハードだなあと感じたのです。それくらい、人間と異なる種族についての生活や風習についてとことん書き込んであり、しかもそれが物語の鍵となってストーリーを大きく左右していたのです。
 まあ、交渉の余地がある程度の異質ではありましたが。

【色褪せた太陽】【ケスリス】【ションジル】【クタス】【キャロリン・ジャニース・チェリイ】【回転ナイフ】【記憶】【嘘】【ダス】【ショナイ】

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