付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「アンバーの九王子」 ロジャー・ゼラズニイ

2016-12-28 | 時間SF・次元・平行宇宙
「片手で思い、もう片方の手で何かほかのことをしてみろよ。そして、両方を握りしめて、どちらが正しいか見てみるがいい」

 地球も含めて並行世界は無数にあれど、それはすべて真の世界であるアンバーの影にすぎない。
 自動車事故で入院させられた病院で目覚めたコーウィンは、自分が記憶喪失だということに気づいた。そして、自分の正体を探るべく向かった、妹フロリメルの屋敷でアンバーへと到る手段を手に入れる。
 コーウィンは真世界アンバーを統べるオベロン王の九王子の1人であり、記憶を取り戻さないまま、再び王位継承争いのただ中に飛び込むこととなったのだ……。

 剣と魔法の多元世界SFの代表作。
 ゼラズニィといえば、80年代頃までは、ハードSFみたいに数字や理論は振りかざさないけれど、重厚で面白いSF作家の代表でした。麻宮騎亜の『神星記ヴァグランツ』も、さまざまな異世界を徒歩や乗り物に乗って移動するという、いかにも真世界シリーズのイメージを具象化しました、みたいな感じで影響ありありです。
 タロットのような、王族1人1人が描かれたカード(訳はトランプだけど)を使って互いに連絡を取り合ったり行き来したりというイメージも新鮮でした。
 はっきり言って、王族間の骨肉の争いなんてどうでも良くて、この地獄騎行とかカードとかのイメージ、平凡な一市民のはずが発動する未知の力!みたいな展開に酔いしれていたのです。

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