付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「レジンキャストミルク6」 藤原祐

2009-06-20 | 超能力・超人・サイボーグ
「友達だから恐くてもいいんだ。だって、友達になら何されてもいいもん。利用されても、裏切られても、殺されても、消されても、全然いいよ」
 だから晶は、打算と計算で自分を思う存分利用すればいいのだと里緒は言う。

 速見珠子は他人をそれほど重んじていない。
 けれども自分自身の価値はそれよりずっと軽い。
 だから、殊子【目覚まし時計】は晶たちに力を貸す。お節介だと思いつつ。
 そして保険医・佐伯ネアも保健室に「本日休診」の札をかける……。

 ついに樹と【無限回廊】がその目的を明らかにし、晶は完膚無きまでに叩きのめされますが、いちばん恐いのは佐伯先生のくすくす笑いでした。自虐的で暗くて猟奇マニアで血に弱いネアですが、良いキャラになってきました。裏表紙のカットも良い感じ……。

 ストーリー的には起承転結の「転」あたりに来ています。そしていよいよ最終ラウンド。ひたすら分の悪い戦いが待っていますが、崩れそうになる晶を支えてくれるのは彼が今まで戦いの中で利用してきた「友達」です。
 個人的な小さな戦いが、世界の存続そのものを左右する戦いになるというセカイ系っていうんですか? そういう話ですが、個人的な内輪の戦いだからこそ、友達の存在は大きいんです。

【レジンキャストミルク6】【藤原祐】【椋本夏夜】【初夜】【FF3】【家族】

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