付け焼き刃の覚え書き

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「拾った奴隷たちが旅立って早十年、なぜか俺が伝説になっていた」 AteRa

2023-11-07 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「その剣は誰が為に」
 冒険者パーティー《黄金の水平線》のリーダー、ベアトリクス・アウシュタッドの口癖。

 奴隷商に拐われて売り飛ばされそうになっていた少女たちを助けて育てたアリゼは、もうアラフォー。少女たちが巣立って彼の元を旅立ってからは、魔物が跋扈する<魔の森>の最深部にある村で、村人を護りながら後進を育成していたのだが、そちらも目処がついたので10年ぶりに娘たちを訪ねに街に出ることにした。
 ところが王都についてみれば、自分と同じ名前のアリゼという男を「魔王を倒した勇者」たちが探しているという。なんでも、彼女らの師匠という伝説の人物らしいのだが、その手配書に描いてある顔は、もちろん彼とは似ても似つかぬイイ男だ。
 しかしながら、どうやら探し人は彼のことだったらしい。深淵の魔女、慈愛の聖女、始原の妖精、世界の王女、豪傑の女勇者などと呼ばれる英雄たちは、本当に彼が育てた娘だったのだ……。

 「ただのしがないおっさんですよ?」と言い張る男が実は魔王を退治した英雄の師匠で、娘たちを訪ねて回る道すがら魔王復活を企む陰謀に巻き込まれることになります。でも、主人公の自己評価が低すぎでした。だって、S級冒険者パーティーに育てられ、その師匠たちがパーティーでこなしていた仕事をソロでやっているのに弱いはずがないじゃないですか。
 イラストはすごく良い出来です。なんといっても、しょぼくれたタレ目気味の主人公がイメージバッチリです。良いタレ目キャラです。

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