付け焼き刃の覚え書き

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「裕仁皇太子 ヨーロッパ外遊記」 波多野勝

2013-03-17 | 伝記・ノンフィクション
「日本では親英というと馬鹿みたいに親英になってしまうし、親独というと馬鹿みたいに親独になってしまうが、国際問題はよほど冷静に大局から見て考えないといけない」
 ニュルンベルグにてヒトラーと会見した後の、秩父宮の感想。

 大正10年。当時皇太子であった昭和天皇は、6ヶ月に及ぶヨーロッパ外遊に出発した。それは、カゴの鳥であった皇太子が単に自由というものを知り、個人的な見聞を広めたというだけのものではなく、明治維新の功労者である元老たちが自分たちの引退前に現実的な帝王学を学ばせておきたいという政治的な思惑があってのことだった。
 しかし、さまざまな思惑から渡航先はなかなか決まらず、出発直前までスケジュールが二転三転し、最後まで予断を許さない旅程だった……。

 船旅の中で西欧風のテーブルマナーを促成で叩き込まれ、ゴルフでも柔道でもカードゲームでも皇太子だからと手抜きはされず、まだ戦死者の回収も終わっていないソンム、ヴェルダンの戦跡を見学し……という洋行の顛末を中心に、明治大正の政治情勢から、日英皇太子によるゴルフ対決、太平洋戦争後の訪米までを総括した1冊。海軍資料や関係者の日記や書簡、電報文等から再構築しています。

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