付け焼き刃の覚え書き

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「カリオストロの城」 監督:宮崎駿

2022-05-23 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
「光と影を結び時告ぐる高き山羊の陽に向かいし眼に我を収めよ」
 指輪に刻まれし文字。公爵家に古くから伝わる言葉。どこの公爵家かだなんて、ヤボなことは訊かないこと。当時の僕らにとっては一般教養に等しかった作品なのだ。

 ストーリーとかシーンの構図とか『隠し砦の三悪人』とか『やぶにらみの暴君』やら往年の名画の影響を色濃く受けているけれど、それを「ルパン三世」というフォーマットに押し込んで面白く語ってくれたのだから観客としては文句の付けようがない。すべての創作は模倣から始まるのだ。
 さて、当時を思い起こせば、とっても痛い。
 あの頃の名古屋はロードショーでも二本立てだったけれど、抱き合わせが見たくもない映画だと地獄だよね。『カリオストロの城』の併映は『ミスターBoo~ギャンブル大将』。朝一で『カリオストロの城』を見たら『ギャンブル大将』。我慢してみて『カリオストロの城』をもう1回。3回見るには『ギャンブル大将』をもう1回かあ。つらいなあ……。
 結局2回で諦め、今度は別の友人と連れだってもう1回。いやあ、五月蠅いガキだったと思うよ。写真部の友人は三脚立てて撮影しまくり、こっちは3回目なもので「次のこういうシーンを撮れ」とせっついて……他のお客さん、ごめんなさい。
 でもって映画館から帰って、写真部は現像室に飛び込み、こっちは全セリフにキャプションをつけてノートに書き出していたから、その頃の記憶力はかなり良かった。これも脳ミソの無駄遣いだよね。
 ところで、興行的にはふるわず、当時のアニメックで「残念なことに人気は出なかったが、物語の展開や作画、演出などすべてにおいて他の追随を許さないほど素晴らしい出来であった」と評されてます。宣伝も悪くなかったと思うんだけど、まだ世間一般には「宮崎駿」のブランドが認識されてなかったのだ。

 ちなみに劇中の画面に映し出される公爵家の綴りが、シーンによって「G」の位置が違っている。だって見たんだもの。表記が「CAGLIOSTRO」になっているところと「CALIGOSTRO」の2通りがあって、どうやら前者が正解らしい。
(2017.10/13 2022.05/23改稿)

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