付け焼き刃の覚え書き

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「ドラゴンズ・ワイルド」 ロバート・アスプリン

2009-05-28 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「女っていうのは、誰かに追われているときでも、いちばんきれいな自分でいたいのよ」
 自分たちが実はドラゴンだといわれても「どっちでもいい」と言い放つヴァレリー・マッキャンドルズの言葉。

 ポーカーだけが取り柄で適当にビジネススクールを卒業してみたものの就職が決まらないグリフェンは、相談に行ったマルコム伯父から自分たちはドラゴンで、中でもグリフェンと妹のヴァレリーは純血種ゆえに世界中の組織の監視対象になっていると教えられる。
 半信半疑のグリフェンだが、伯父が頼りにもならなければ信用もできないことははっきりし、ガールフレンドのマイにも怪しげな様子がありあり。紆余曲折あってヴァレリーとともに南部の街ニューオリンズへと向かうことになるのだが、そのヴァレリーを狙う影があった。
 ドラゴンといえば聖ジョージ。悪龍退治の聖人の名を借りたドラゴン専門の殺し屋が予告状を突きつけてきたのだ……。

 ニューオリンズのフレンチ・クォーター教区を舞台に、賭博組織に身を寄せることになった兄妹が出会うさまざまな事件をコミカルかつ真面目に描いたロー・ファンタジー。ひとことでいえば、バクチだけが取り柄だったC調就職浪人の太閤記。
 大学のポーカー仲間ジェロームや組織の元締めモーセ、市警風紀課のハリソン刑事など脇役も良い味出しているけれど、やはり要は純血種のヴァレリー、中国系のマイ、赤毛のフォックス・リサとどいつもこいつも怒らせると怖い女3人。そして、この3人そろって暴れ出したら街1つ消えてしまいそうな美女たちとなんとかつきあえるグリフィンはさすが主人公というところでしょうか。
 アスプリンはこのシリーズの2作目を書き上げた後に亡くなっているそうですが、別作者が3作目を引き継ぐということで、しばらく楽しみに追いかけたいと思います。

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