付け焼き刃の覚え書き

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「時の果てのフェブラリー」 山本弘

2007-08-27 | その他SF(スコシフシギとかも)
「何が真実か分からないと、何が正しいことなのかも分からないんじゃないか?」
 だから、守るべきものは正義と真実とアメリカン・ウェイだとアラン・ドレイク少尉。

 山本弘の『時の果てのフェブラリー』(1990)は『ストーカー』に触発されたものらしい。知性体の正体が判らないまま進む話もいいけれど、解明して接触する展開になってもいいじゃないかという意図で書かれたものだとか。
 エリア内部の重力異常現象の解明、内部に取り残された/侵入を試みる者たちの心理、世界に対して人間とは異なる認識をもっている知性体との接触……。こうした要素をきちんと押さえているところがさすがです。そして、そんなハードな物語の主人公を、特殊能力があるとはいえ11歳の美少女にやらせるとはお見事です。というか、単なる冒険SFではなくハードSFにおいて、そういう主人公を設定できるのは日本の作家くらいかもしれません。同じようなストーリーは書けても、海外の作家……たとえばJ.P.ホーガンにはロリロリな主人公は書けないだろうて。
 ところで徳間デュエル文庫から2001年に刊行された改訂版のイラストは主人公が可愛くないし、イラストとしての出来映えもよろしくないので、自分用には角川スニーカー文庫の90年版の表紙をスキャンして自作してみました。

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