付け焼き刃の覚え書き

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「極めて傲慢たる悪役貴族の所業3」 黒雪ゆきは

2024-06-29 | 異世界転生

「俺は、俺が最強であることを疑ったことなどない。だが、強者が常に勝者となり得るかは……分からない。弱者が強者を喰らう。それは往々にして起こることだ。弱者が付け入る僅かな隙を埋める作業。それこそが『努力』であると俺は思う」
 ルーク・ウィザリア・ギルバートは傲慢ではあるが、油断はしないし、努力も怠らない。

 これがバタフライ効果なのかとルークは理解した。
 何処まで連鎖していくのか、才能に溺れて努力しなかった者が努力をし始めたことによる影響で、ルークの知識にあったストーリーは狂っていく。彼が氷竜を従えたことでミレスティア王国の勢力争いは貴族派に大きく傾き、学園の序列1位のエレオノーラは性癖がねじれ回って病み始め、婚約者アリスは寝取られ属性に目覚め始めていく。
 王国を狙うミュラ神聖国は新たな手を打ち始め、イスプリート大森林に拠点を持ち、エルフによる独立国家樹立を目論むテロ組織「ヴリトラ」はルークの解析能力に恐怖した。
 そんな中、冒険者として密かにグレン帝国に潜入するはずだったルーク、気がつけば使節団の一員としてへと赴くことになっていた。これすべて主人公アベルの仕業であった……。

 ルークがあくまで「極めて傲慢たる悪役貴族」スタイルを徹底しているのに、努力を怠らず、手駒を増やして油断も隙もないため、しっかり主人公ムーヴが揺るぎません。体格がもう倍もあったらラオウになれたかも。
 悪役が変にイイヒトになったりすることなく、真面目にしっかり野望を突き詰めていく傍ら、彼の周囲のヒロインたちの闇堕ちぶりが酷いとか、気の毒ではなく、草生えるあたりがギャップで笑いになります。だってそれで頭を抱えるのがルークだけなので。あと本来の主役であるアベルも別に意味でおかしくなりつつありませんか?

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