付け焼き刃の覚え書き

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「フライング・コップ」 主演:レスリー・ニールセン

2019-02-02 | ミステリー・推理小説
 70年代にケンタッキー州でアングラ系コメディ芝居を上演していたザッカー兄弟らがそのネタを抱えて映画界に乱入し、同人テイストが強いオムニバス・コメディ映画『ケンタッキー・フライド・ムービー』を公開したのが1977年。それがウケて、航空パニック映画をパロディにした『フライングハイ』を製作。
 その『フライングハイ』に胡散臭い医師の役で登場したのが、海洋パニック映画『ポセイドン・アドベンチャー』とSF映画『禁断の惑星』という、どちらも各ジャンルの代表的古典とも言うべき作品で船長役を務めていたレスリー・ニールセン。
 そのレスリー・ニールセンが、ザッカー兄弟とジム・エイブラムズによって主役に起用されたのが全6話のテレビドラマシリーズ『フライングコップ』です。各話30分で1960年代の刑事ドラマのフォーマットで作成され、豪華なゲストスターがオープニングで殺されて本編出番無しとか、パトカーは停車する時に必ず何かにぶつかって停まるとか、情報屋は学校の宿題から外科のバイパス手術まで何でも知っているとか、お約束ギャグ満載のドラマ。日本ではビデオ・パッケージの発売のみで、直訳すればいかにも警察ドラマっぽい「警察捜査隊」みたいなタイトル「Police Squad!」が「知能指数0分署」と頭の悪い翻訳をされ、『フライングハイ』で脚光を浴びたスタッフなのでそのまま『フライング・コップ』とも呼ばれるようになりました。その後、劇場版にもなって『裸の銃を持つ男』としてシリーズ化して日本でもそこそこヒットしましたが、やはり30分ドラマのフォーマットでいろいろ放り出しながら急転直下で話がまとまる『フライングコップ』の方が面白いなあ。
 ただ、英語の言葉遊び的なギャグが多いので、日本語吹き替えだけだと分かりにくいですね。画面の片隅でいつも何か不条理な出来事が起きていて、登場人物たちの会話からネタを推測する頭のトレーニング。「つまり、今のギャグが何を意味しているかというとですね……」というやつ。たとえば「容疑者を尾行しろ」と警部が部下に指示を出すと誘導員が旗を振って爆撃機が離陸していく……というのは、「追跡しろ」の「take off」が「離陸」と意味が重なっているからで……。

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