付け焼き刃の覚え書き

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「宇宙戦艦ヤマト2202~愛の戦士たち~第二章」 監督:羽原信義

2017-07-14 | ミリタリーSF・未来戦記
 旧作では朝一で劇場に行列を作っていた世代です(徹夜にあらず)。「宇宙戦艦ヤマト」というコンテンツには、いろいろ期待して感動して失望して翻弄されました。青春の思い出であり、トラウマでした。
 2199では良い意味で予想が裏切られ、最後まで楽しませてもらいましたが、2202の方は「またかつてのように裏切られるのではないか」と、観に行きたい気持ち半分ながら、それを思うと吐きそうになるくらい……ああ、トラウマなんだなあと自嘲。

「バラン星のときと比べれば……」
 そりゃ、たいした苦労なんてないでしょうよ。

 ストーリー的には『さらば宇宙戦艦ヤマト』と『宇宙戦艦ヤマト2』の合わせ取りなので、これに福井節になるのか地球内部や対ガミラスの政治的かけひきを加えた結果、全体のテンポが悪くなり、辻褄合わせの結果として藤堂長官が単なる日和見主義の官僚になっちゃいました。「沖田の子供たちが征く……」としみじみ言ってますが、あんた最後まで自分じゃ何もしとらんでしょと言いたくなります。せめて空間騎兵隊を11番惑星ではなく地球から乗り込ませていれば良かったのにね。艦載機もちまちま合流するので、テンポが悪くて爽快感なし。なんだかなー。
 でも、波動艦隊構想と地球復興の謎も解けたし、『宇宙戦艦ヤマト2』より面白かったですよ。

 ツッコミどころとしては、あいかわらず防衛衛星は予算の無駄。固定砲台が移動目標に射程と威力で負けてたらいかんでしょう?、「機動戦艦ナデシコ」の防衛ラインくらいの守りは欲しいということ。
 それから、アンドロメダ級空母型の発艦機能。ヤマトという作品では、主役が海洋船舶型のデザインなので、あえて銀河系を水面になぞらえるように艦載機も水平方向に発艦していくのですが、アポロノームあたりはX型に垂直発射。ガトランティスの空母だって、わざわざ甲板を回転させて上下方向をきっちりさせて発進するのに! 銀河水面はあるのかないのか。
 設定が世界観を無視してデザイナーの独りよがりになっています。

【宇宙戦艦ヤマト2202~愛の戦士たち~】【第二章 発進篇】【羽原信義】【小林誠】【福井晴敏】【クリスマス】【断層】【アステロイドベルト】
コメント
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