
いつの間にか、すっかり灰汁が抜けた様に見える、老倉育が千石撫子に語った。
千石撫子はあいかわらず引き篭もりだった。
とりあえず今はマンガ家になるという目標があるけれど、親から与えられた期限までに成果を出すには時間が足りない。学校に行かないなら、とっとと就職しろとさすがに甘い両親もしびれを切らしたのだ。
そんな撫子に、式神童女の斧乃木余接が提案したのは、分身を作れば使える時間は3倍にも4倍にも増えてマンガが描けるというものだった。
ところが式神として生み出された4人の撫子たちは、それぞれにやりたいことがあるとばらばらに逃げ出してしまい……。
最初の構想は前巻みたいに3人くらいの後日譚兼プロローグだったらしいけれど、結果的に千石撫子総進撃。
本文中で示唆されていたけれど、ひとことでいうと「ドラえもんだらけ」。わかりやすく言い換えると「スーパー撫子大戦」。 過去の自分をキャラクター化した式神たちとの対決は、自分自身の黒歴史を直面することでもあります。辛いなあ。
そして月火の嫌われ具合がなんとも……。
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