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付け焼き刃の覚え書き

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「河北新報のいちばん長い日」 河北新報社

2014-06-17 | 伝記・ノンフィクション
 東日本大震災で自らも被災しながらも、休むことなく新聞を発行し続けた河北新報社の記録が文庫版になったので購入。
 眼下で助けを求める人を見ながら報道することが使命とただ空撮を続けるも、結局その人たちに救援が届いたのは1週間後だったと知らされて報道の価値に疑問を生じる者、社命で原発事故直後の福島から待避したことを悔やみ続ける者など、情報を求める読者の感謝を受けながらも苦悩する新聞人たちの記録です。

「犠牲『万単位に』」
 3/14付の1面トップではあえて「死者」という言葉を避けた。
 それが良かったかどうかは別として、常に被災者でもある読者がどう受け止めるかを考え続けた。

 熱しやすく冷めやすい全国紙や在京キー局に対して、あくまで地元の立場で読者目線に立ち、センセーショナルに煽らず、本当に今必要な情報を届けようとした姿勢が伝わります。全体の構成としてはやや雑多な、計算されていないという印象がありますが、それが臨場感となり取り繕わない記録らしさが出ている気がしました。
 記事を作る人がいて、編集する人、印刷する人、運ぶ人、配る人がいての新聞だということが、まっすぐに伝わってきます。

【河北新報のいちばん長い日】【震災下の地元紙】【河北新報社】【文春文庫】【ロジスティクス】【炊き出し】【スパム弁当】
コメント
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